芸術・文化の分野で優れた功績をあげた人たちに贈られる、日本美術協会が主催する高松宮殿下記念・世界文化賞。34回目を迎えた今回、建築部門の受賞が決まったのは、ディエベド・フランシス・ケレさん(58)だ。

ケレさんは、西アフリカのブルキナファソで生まれ。
現在はドイツを拠点に活動する建築家だ。

生まれ故郷の村・ガンドには学校がなく、7歳で両親の下を離れ、町の小学校に通い始めた。

蒸し暑くて建て付けの悪い校舎で学んだ経験が、建築家を目指すきっかけになったという。

ディエベド・フランシス・ケレさん
「建築家になりたいと思ったのは、快適ではない教室で授業を受けたり、良くない家具に座っていた経験がきっかけです」

少年の頃から大工修行をし、20歳の時、奨学金を得てドイツへ留学。

ベルリン工科大学で建築を専攻したケレさんは、故郷の村で教育の恩恵を分かち合いたいと、在学中に「ケレ財団」を設立して資金を集め、ガンドに学校を建てることを目指した。

そして2001年、最初の作品「ガンド小学校」が完成。
建設にあたっては、地元の人々の労働力や資源を活用し、ほぼすべてが手作業で行われた。

ディエベド・フランシス・ケレさん
「私はより良いインフラや国民のより良い未来のためには、現場にある材料や知識を活用することが重要だと確信しています」

その土地の気候風土に寄り添い持続可能な建築を生み出してきたケレさん。

去年、建築界のノーベル賞と呼ばれる「プリツカー賞」をアフリカ出身者で初めて受賞した。

アメリカなど世界各地でも、革新的な建築を生み出している。

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国際取材部
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