第二次岸田再改造内閣が発足し、岸田総理は「変化を力にする内閣」を強調した。

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皇居での認証式を経て、第二次岸田再改造内閣が正式に発足した。

岸田首相:
この内閣は「変化を力にする内閣」です。変化を力にして閉塞感を打破し、明日は今日よりも良くなる、誰もがそう思える国づくりを一緒に行っていこうではありませんか。

新たな内閣では、過去最多に並ぶ5人の女性閣僚が起用され、うち3人が初入閣だった。

44歳で初入閣した、加藤鮎子こども政策担当大臣は、次のように語った。

加藤鮎子こども政策相:
少子化はこの国の一番大きな課題だと考えている。しっかり頑張っていきたい。

71歳で念願の初入閣となったのは、土屋品子復興大臣だ。

土屋品子復興相:
(東日本大震災から長い時間が経ち)今後、精神的な問題も大きいと思う。きめ細かく寄り添えることが大事かなと思っている。

同じく初入閣の、自見英子地方創生担当大臣。

自見英子地方創生相:
とにかく地域に足を運んで、私に与えられた役割を全うして参りたい。

岸田総理は記者会見で、内閣改造について「強固な実力を持った閣僚を起用することとした」と述べ、「適材適所」を強調した。

そして、経済政策については…。

岸田首相:
ガソリン補助金の継続を含め、国民生活を応援する大胆な経済政策を実行して参ります。

「物価上昇率プラス数%の賃上げを継続的に実現するための政策」を進める方針を示した。

さらに、物価高に対応するための経済対策を、2023年10月中をめどにとりまとめる考えを示した。

「変化を力にする」手腕が問われる岸田再改造内閣
「変化を力にする」手腕が問われる岸田再改造内閣

先送りできない課題山積の岸田再改造内閣。「変化を力にする」手腕が問われることになる。

経済対策が未知数…投資家も様子見

「Live News α」では、エコノミストの崔真淑(さい・ますみ)さんに話を聞いた。

堤 礼実 キャスター:
新しく船出した岸田再改造内閣。崔さんは、どうご覧になりますか。

エコノミスト・崔真淑さん:
女性閣僚は5人。これは過去最多タイということだが、社会が変わり、女性登用が進むきっかけにつながればと、前向きなものとしてとらえている。

民間企業に対して、女性役員30%との目標を掲げるだけあって、政治でも実行しようとした感はある。

ただ、気になるのは5人の女性閣僚のうち、3人は世襲議員であること。もちろん、世襲そのものが悪いということではないが、一般の国民目線を第一に意思決定してもらえたら嬉しい。

堤 礼実 キャスター:
物価高に、賃上げと、暮らしに関わる経済政策への期待は大きいかと思いますが、これについてはいかがですか。

エコノミスト・崔真淑さん:
岸田政権が打ち出した経済対策で、国民に分かりやすさで歓迎されたのは、ガソリンなどの価格上昇を抑える補助金政策の延長ぐらいではないか。

これからどんな経済政策が出てくるか。未知数というのは、やはり心もとない。

実際、内閣の顔ぶれが変わるなど経済政策への期待が出てくると、株価が上昇したり、関連銘柄が上昇するなどがある。いわゆる「ご祝儀相場」と言われるもの。

それが今回の内閣改造では、わたしが見る限りは、そうした動きはでていない投資家の多くは、様子見している模様。

“増税”が経済再生の重石にも

堤 礼実 キャスター:
一方、崔さんの懸念。これはどうかな、ということはありますか。

エコノミスト・崔真淑さん:
物価も金利も上昇している中で、まずは増税に関する議論は少し待ってほしい。とりわけ消費税の税率引き上げは、影響が大きく景気を冷やしてしまう懸念が強い。

アベノミクスでも矢継ぎ早の経済政策をしたが、消費税率の引き上げが経済再生の大きな重石になったという報告もある。

さらに、国民からの要望が強い子育て支援策などの充実のために、「増税もやむなし」という風潮に待ったをかけてほしいところ。

堤 礼実 キャスター:
この内閣改造を受けて、さまざまな意見や考え方があると思いますが、「本当の意味で、変化を力にする」私たち国民の代表として、時代に対応していく政治を期待したいです。
(「Live News α」9月13日放送分より)