高級な店が立ち並ぶ街、銀座。
実は、大人から子供まで無料で楽しめる美術館や博物館が、たくさんあるのをご存じだろうか。

最新技術を生かした“体験型”から、歴史的な激レアアイテム、世界に一つしかないお宝まで。
今回の「ココ調」は、銀座に多くの「0円ミュージアム」があるのはなぜなのかを調査する。

親子で楽しめる環境問題を学ぶDJゲーム

高級店ひしめく東京・銀座だが、ファストファッションや100円ショップなど、お手頃価格のお店が増えている。

銀座にいた人に話を聞くと「ここ数年、銀座で子供と遊べる無料のところが増えているので」「うまく組み合わせると、普通に半日以上楽しめるんじゃないかと思います」などと話す。

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実はいま銀座には、有名メーカーや企業などが運営する“無料”で楽しめる美術館や博物館が16カ所もある。

まずは、どんな施設があるのか調査。

三菱電機イベントスクエア「METoA Ginza」
三菱電機イベントスクエア「METoA Ginza」

「METoA Ginzaに行ってました。無料だったので、気兼ねなく何度も挑戦させてもらいました」と話す親子が行った建物へ行くと、「夏フェス入場無料」とかかれたポスターが。

中に入ると、体動かして楽しんでいる親子がいた。

ここは、三菱電機が運営する0円ミュージアムだ。
(三菱電機イベントスクエア「METoA Ginza」そだてるタウン-リサイクル DISCO リサイクルも、ターンテーブルも、まわせばハッピー!- 11月27日まで)。

「どんなモノがリサイクルできて、何に生まれ変わるのか」を音楽とダンスで学んだり、「リサイクルの仕組み」をDJゲームを通して知ったりすることができる。

子供が楽しめるだけでなく、お母さんにもメリットがある。

母親に聞くと「銀座に来るのは、子どもが嫌がるので。親の買い物に付き合うのが嫌なので、“あそこ行けるから行こう”(と誘って子どもも連れてくることができる)みたいな」と話していた。

約7000年前に発明された時計を展示

続いて、ある姉妹が訪れたのは「セイコーのミュージアム」。

姉妹:
ホントにタダでいいのかなっていうくらい、すごいものばかりで楽しかったです。

16歳と12歳の2人が絶賛する施設が、2020年にリニューアルオープンした「セイコーミュージアム銀座」。

約7000年前に発明された太陽の向きで時間がわかる日時計や、時計で動画で見ることができる約40年前のテレビウオッチなど、創業約140年のセイコーの歴代時計が並ぶ。

中でも目玉が…、

原田葵 アナウンサー:
ウサイン・ボルト選手が世界新記録を出したときの機材が置いてあります。

ウサイン・ボルト選手が2009年の世界選手権で世界新記録を出した際に、実際に使用されたモノ。

このミュージアムを利用した親子に話を聞いた。

父親(息子小1):
子供の自由研究で、時計の中身を調べたいということで、調べに来たんだよね。

ーー自由研究うまくできそうですか?
男の子(小1):
うまくできそうでした!

自由研究のために、夏休みが終わる3日前に来館。

どのような研究になったのだろう?その成果を見せてもらった。

自由研究のテーマは、「身の回りのモノの中身がどうなっているか?」。
調べたモノはエレベーター、カップ麺、時計。

時計のところを見ると、「はぐるまが かいてんして うごいていた」などミュージアムで分かったことが記されていた。

カフェも併設したレトロカーの展示

カップルが訪れたのは、「日産」のギャラリー。

男性:
日産のを見てきました、車を。見るのはタダです。

女性:
レトロ、めちゃかわいくて、はじめて知ったんですけれどよかったです。

銀座4丁目の交差点にある日産のギャラリーでは、7月から1960年代のレトロカーを展示している
(「「NISSAN CROSSING Travel Back to 1963」~10月2日まで)。

カフェやグッズ売り場も併設し、無料でプリントできるフォトブースまで設置。

同じく銀座4丁目には、美術品がたくさん並ぶ空間「セイコーハウス銀座ホール」もある。

セイコーグループ広報部 主査・眞田伸子さん:
入っていただくのにお金をいただくということではなくて、まずは見て楽しんでいただいて。

さらに、銀座4丁目のビルで8月30日から開催されているのが、ハンカチ王子こと斎藤佑樹さんの写真展「斎藤佑樹 写真展~On the Mound~」(~9月12日)。
ソニーが手掛ける0円ミュージアムで展示されている。

原田葵 アナウンサー:
キレイな空間にたくさん写真が飾られています。

こちらは2週間ごとに作品が入れ替わるため、いつ来ても新しい作品と出会える空間になっている。

ソニー ソニーイメージングギャラリー担当・永井敏雄さん:
写真が好きな人とか、ギャラリー巡りをしているようなアートが好きな人とか、そんなお客さんがたくさんいらっしゃいます。

“一番画廊が栄えてきた”アートの街

実は銀座は、昔からギャラリー巡りする人が多く、アート作品を購入できる画廊がたくさんあった。

銀座の街には、画廊のとなりに画廊があり、そして上にも画廊があるなど、今も多くの画廊が残っている。

創業約100年の老舗「日動画廊」で話をきいた。

日動画廊・長谷川徳七 社長:
銀座が、一番とにかく昔から画廊が栄えてきた。文化人がやっぱり一番、銀座に集まってくるということがあるんじゃないかと思います。

文化人が集まり、アートの街として栄えてきた銀座には、現在約100の画廊があるという。

また、各企業が銀座で“0円ミュージアム”を開催するのには、こんな理由があると話す。

三菱電機 宣伝部 METoAコミュニケーショングループ・森岡玲永子さん:
文化の発信拠点として、銀座ってそういう側面もあると思いますので、そこでより多くの方と未来を一緒に作っていきたいなという思いで無料で開いております。

銀座は、アートの街として栄えてきた歴史があり、発信力も高いことから、0円ミュージアムがたくさん開催されていることがわかった。
(「めざましテレビ」『ココ調』9月4日放送分より)