夏休みに人気を集めた化石発掘体験。実は化石が街中でも見つかるのをご存じだろうか。仙台市内で化石探しに行ってきた。
仙台市内で化石探し
宮城県南三陸町で開かれた化石の発掘体験。2023年もたくさんの親子が化石を見つけようと参加した。子供にとっては夏休みの貴重な体験になったようだが…大人にとっては記録的な猛暑で探すのも一苦労の様子…。

子供たちに人気の化石。実は仙台の街中でも見つけることができる。街中の化石発見をサポートしてくれるのは、古生物学が専門で東北大学名誉教授の永廣昌之さん。永廣さんは仙台市科学館で開かれた化石鑑定会の講師も勤めている。

東北大学 永廣昌之 名誉教授:
これはどこの石ですか?うーん、ちょっと模様がついてるけど、アンモナイトは間違いない。ジュラ紀の後期かな?

解説に目を輝かせる子供たち…化石の魅力を伝える永廣さんと化石発見に出発。最初に訪ねたのは仙台三越本館。こちらではインフォメーションセンターで化石マップをもらうことができる。マップを頼りに、まずは入口近くのアンモナイトを探すことに。

手のひらより大きい、直径20センチ以上のアンモナイトを発見!別の場所ではアンモナイトと同じ頭足類のべレムナイトも見つかった。さらに…。

サンゴ1つ1つの模様がよく見える化石も発見。ハチの巣状にサンゴの群体になっているものが斜めに切られている。

化石はどのようにできるのか。
東北大学 永廣昌之 名誉教授:
石灰岩は生き物の体が集まってできた石、石灰岩があると、その中に、きれいな形で残っている。

建物などによく使われる石灰岩や大理石は、アンモナイトやサンゴなど昔の生物の殻や欠片が集まってできたもの。石になる過程で、他の生物に食べられたり腐敗したりせずに地層にうずもれたものが、現在、化石として見つかるという。

コツは「じっくり」
つづいて、同じ百貨店の藤崎本館に行ってみた。青葉通側の入口入ってすぐの柱には…。

東北大学 永廣昌之 名誉教授:
あそこになにか変なものが見えますね。あれはなんでしょうね?複雑な隔壁という壁と、そのしきりがいっぱい見えますね。これサンゴですね。サンゴの比較的大きな塊がぼこぼこ入っていて、その間をいろいろな生物の殻の欠片のようなものが埋めているのかな。

さらに、入口向かって右の柱には…。

東北大学 永廣昌之 名誉教授:
あ!これは!らせん状の塔みたいになっている。仕切りがあって、何だと思います?タケノコみたいになっている。くるくるくるっと細長い巻き貝ですね。

巻き貝とサンゴを見つけることができた。仙台市内ではこの他にも、多くの化石を見つけることができます。JR仙台駅に直結するホテルメトロポリタン仙台には、たくさんのアンモナイトが!シールを貼って見つけやすくしてくれています。

地下鉄泉中央駅でも直径15センチほどのアンモナイトを発見。売店前の柱で見つけることができた。

こちらは、宮城県図書館。さまざまな化石に出会えるスポットだということで、1階のエントランスでは大きな二枚貝の化石を発見した。

千坂紗雪アナウンサー:
2つの貝殻がパカっと開いている?
東北大学 永廣昌之 名誉教授:
これとこちらにあれば元の形なんですけど、これは背中合わせになっていますから違うかな。逆にこちらはおそらく2枚の殻がくっついたまま。

千坂紗雪アナウンサー:
こちらは2つの貝が背中合わせになったもの?こちらは1つの貝がそのまま?
東北大学 永廣昌之 名誉教授:
元の形の2枚の殻があったまま、おそらく化石になったままその断面を見ている。

仙台の街中には、まだまだ多くの化石が眠っているという。
子供たちにどのように化石探しを楽しんでもらいたいか、永廣さんにたずねるとー
東北大学 永廣昌之 名誉教授:
最初は分からなくても、少し見ていると分かってくるのかな。周りの模様とちょっと違うものがある。色、形、濃さが違う。

千坂紗雪アナウンサー:
そうやって時間をかけて見つけていく。
東北大学 永廣昌之 名誉教授:
少し時間をかけた方がいい
街中で見つかる化石、みなさんもじっくり探してみてはいかが。

(仙台放送)