8月16日、関西空港に到着した大勢の中国人観光客。 中国は先週、日本への団体旅行を約3年半ぶりに、解禁した。 しかしまだ解禁から間もないため、今回は団体ビザではなく、個人ビザを持つ人たちが集まった団体旅行だということだ。

日本に来るのは4回目「待ったかいがあって楽しい」

解禁から一夜明け、大阪城に向かった一行。
初めて日本に来たという中国人カップルは清潔でいいですね」と印象を話した。

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中国人観光客の2人組:
おすしや刺し身などの、日本食に興味があります

一方で、日本に来るのは4回目だという家族連れの中国人観光客からは「待ったかいがあって楽しいです」との声が聞かれた。

リピーターも久々の日本を楽しんでいるようだ。

そんな時間もつかの間、一行はわずか40分ほどで大阪城を離れて奈良へ。 そして奈良に1時間ほど滞在したあと、京都を観光するという弾丸ツアーを堪能していた。

中国人観光客の買い物スポットでもある大阪・ミナミで話を聞いてみると、「化粧品と薬とおやつを買いました。みんなでいくら使ったかわかりません」「14日間で予算は3~4万元です。交通費とホテル代がけっこうかかっています」「予算は3万~4万人民元です」とのこと。

1回の旅行で日本円にして60万円~80万円使うという人もいた。

ミナミの免税店・ラオックス道頓堀店の店長は「すごく期待しております。中国のお客さんが解禁されたら(中国人観光客を)ターゲットの商品を準備していて、食品・理美容品、化粧雑貨が中心になります。高価なブランドバッグも富裕層の方々に買ってもらえると思います」と団体旅行の解禁に期待を寄せた。

しかし…中国経済は危機的な状況

中国からの団体旅行解禁でいわゆる”爆買い”に期待したいところだが、実は今、中国経済が危機的な状況を迎えている。

SNSに相次いで上げられているのは、その名も「死亡卒業写真」。大学を卒業した人たちが死んだふりをして写真を投稿。 その背景にあるのは、”史上最悪”の就職難だ。

16歳から24歳までの都市部の若者の失業率が6月には21.3%と過去最悪を更新した。すると、中国政府は15日、8月から若者の失業率の数値の公表を取りやめることを発表。

在学中には厳しい行動制限をともなう「ゼロコロナ政策」で苦しめられ、卒業した後は”ゼロ職場”に直面することになった若者。

上海で現在の雇用状況を聞くと、このような答えが。

フリーランスの女性:
良くないです。企業の一時解雇があると友人から聞きました。景気が良くないからでしょう

不動産業の男性:
コロナが始まってから友人たちが次々と失業しました。友人同士の会話などから若者たちが非常に大きなプレッシャーを感じていると思いました

中国で深刻化する不景気。 実はこの不景気こそが日本への団体旅行を解禁した一因になったともいわれている。

(関西テレビ「newsランナー」2023年8月17日放送)

関西テレビ
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