FNNの8月の世論調査で、岸田内閣の支持率は、7月より0.2ポイント上がって41.5%だった。19日に岸田首相が視察した東京電力、福島第一原発にたまる処理水の海への放出については「賛成」が55.8%と5割を超えた。レギュラーガソリンの全国平均の小売価格が15年ぶりに180円台に高騰していることについては、8割の人が生活に影響していると答えた。

内閣支持率 41.5% 「支持」は下げ止まり「不支持」は高止まり

FNNは、8月19日・20日の両日、全国の18歳以上の男女を対象に、電話世論調査(固定電話+携帯電話・RDD方式)を実施し、1018人から回答を得た。

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岸田内閣を支持する人は、7月調査とほぼ横ばいで、41.5%。支持しない人は0.9ポイント下がり53.5%、不支持は先月に続いて2カ月連続で5割超えが続いた。

【岸田内閣への支持】
支持する  41.5%
支持しない 53.5% 

内閣支持率の低下につながっているとされるのが、トラブル続きのマイナンバー問題だ。岸田首相は8月に会見を開き「国民の不安を招いていることをお詫びする」と述べ、再発防止を表明した。支持率が下げ止まる一方で、不支持率は高止まりが続いている。

マイナンバー問題 政府の総点検でも「解決しない」が8割超

マイナンバー問題を巡って、政府は総点検を11月末までに終える予定だ。岸田首相は、ミスの修正と再発防止を徹底するとしている。ただし国民の不安払拭には至っていないのが現状だ。総点検でマイナンバー問題が「解決しない」答えた人は83.5%に上っていて「解決する」との答えは11.2%にとどまった。

【マイナンバーを巡る問題は政府の総点検で解決するか】
解決する  11.2%
解決しない 83.5%

岸田首相は、マイナ保険証を早期に普及させて、デジタル改革を本格的に進める考えを表明したが、マイナンバーカードと保険証の一体化に伴い、保険証を来年秋に原則廃止することに対しては、反対が根強い。「予定通り来年秋に廃止すべき」との答えは23.4%にとどまっていて、「廃止する時期を延期すべき」が34.6%、「廃止する方針を撤回すべき」が40.0%と7割超が政府の方針の変更を望でいることが浮き彫りとなった

【健康保険証とマイナカードの一体化で保険証を廃止する方針】
予定通り来年秋に廃止すべき 23.4%
廃止する時期を延期すべき  34.6%
廃止する方針を撤回すべき  40.0%

一方で、岸田首相はマイナ保険証を取得しなかった人が、保険診療を受けられるよう5年を上限に「資格確認書」を発行すると表明。これには「評価する」が51.7%に上った。ただし、この「評価」は、データミスが相次ぐマイナ保険証の「別の選択肢」を示したことへの評価とみることもでき、岸田首相の目指すマイナ保険証の普及に対する不信感の裏返しでもある。

【マイナ保険証を取得しなかった人への「資格確認書」発行】
評価する  51.7%
評価しない 43.1% 

ガソリン高騰 15年ぶりの181円台 価格高騰に悲鳴

レギュラーガソリン価格は8月に15年ぶりに1リットルあたり181円台まで高騰。8月16日公表時点で、181.9円となり、13週連続の値上がりが続いている。燃料価格の高騰について生活への影響が出ているとの意見が8割近くに上った。

【ガソリン高騰の生活への影響】
大いに影響している   43.7%
ある程度影響している  34.2%
あまり影響していない  11.8%
まったく影響していない 9.7%

政府は、燃料価格の負担軽減のための補助金を6月から徐々に減らし9月末で終了する予定となっている。この方針について、補助金を10月以降も「続けるべき」とする意見は78.2%に上った。

【燃料価格の負担軽減のための補助金】
続けるべき   78.2%
続けなくてよい 17.8%

福島第一原発の処理水の海への放出は 「賛成」55.8%

岸田首相は、原発処理水の放出について、国内外で環境整備を進めた。国際社会に向けて、岸田首相は、日本時間19日に米大統領の別荘キャンプデービッドで行われた日米首脳会談でバイデン大統領から処理水の放出について直接話をしたことを明らかにした。
さらに、20日には福島第一原発を視察し、全国漁業協同組合連合会の会長とも話し合いを行うなど、安全性の確保と不評対策の取り組みを行うことを強調している。

こうしたなか、処理水の海への放出には55.8%が「賛成」と答え、7月の調査に続いて2カ月連続で「賛成」が5割を上回った

【処理水の海への放出】
賛成 55.8%
反対 36.7%

「106万円の壁」解消なるか 新たな企業助成金で「働き控え」対策

岸田首相が8月に打ち出したのが、パートタイムなどの「働き控え」につながっている「106万円の壁」対策だ。配偶者の扶養に入る人の年収が、一定の条件で106万円を超えると、社会保険料の支払いなどで、手取り収入が減ることから「働き控え」が起きている。

岸田首相は、賃上げに取り組む企業などを対象に、新たな助成金制度を10月から実施する方針を示した。ただし「106万円の壁」解消対策で「働き控え」が改善すると答えた人は22.7%にとどまった。

【企業への助成金で「働き控え」は】
改善する  22.7%
改善しない 68.2%

支持率は下げ止まったものの、回復のきっかけはつかめていない、岸田首相。いつまで岸田政権に続いて欲しいかという問いには、「すぐに交代して欲しい」が24.2%、「来年9月の自民党総裁任期まで」が51.7%、「来年9月以降も続けて欲しい」という意見は19.9%となった。

【岸田首相にいつまで続けて欲しいか】
すぐに交代して欲しい      24.2%
来年9月の自民党総裁任期まで  51.7%
来年9月以降も続けて欲しい   19.9%

また、次の首相にふさわしい人物については、自民党の石破元幹事長が最も多く14.2%、次いで河野デジタル相が10.7%、小泉元環境相が10.4%。岸田首相は次いで8.3%、菅前首相は8.0%と続いた。

【次の首相にふさわしい人(ひらがな順・敬称略)】
石破茂 自民元幹事長    14.2%  
河野太郎 デジタル相    10.7%
小泉進次郎 元環境相    10.4%
岸田文雄 首相       8.3%
菅義偉  前首相      8.0%
高市早苗 経済安保相    6.2%
林芳正  外相       2.0%
茂木敏充 自民幹事長    1.7%
野田聖子 前少子化相    1.5%
泉健太  立憲代表     0.4%
このなかにはいない     30.3%

政治部
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