高校生の頂点を決めるインターハイで、メダルの期待がかかるふたば未来学園・バドミントン部の3人の選手を紹介。日本代表でもある3人は、大会に向け最終調整を行っていた。3人が見据えるのは世界。オリンピックに出場し金メダルをとることが夢だという。
強豪校の目標は全種目制覇
インターハイ団体で、男女あわせて優勝10回(富岡高校時代を含む)の実力を誇るふたば未来学園は、元世界ランク1位・桃田賢斗選手や東京オリンピックで銅メダルを獲得した渡辺勇大・東野有紗選手を輩出するなど、言わずと知れた全国屈指の強豪校。

本多裕樹監督は「この代では、特にインターハイ全種目制覇というのを本人たちが掲げてやってきた」と話す。

チームを率いる技巧派
2023年のインターハイで、団体・シングルス・ダブルス男女6冠を目指すチームを率いるのが、日本代表・谷岡大后選手。谷岡選手の武器は相手の意表をつくプレー。本多監督は「世界でみても、なかなかこういう技巧派の選手っていない」と評価する。

気付かされた課題
高いテクニックを武器に、これまでも数々の大会で結果を残してきた谷岡選手。しかし代表での活動や、海外での試合などを通じ、気付かされたことがあった。「最近は、ウエイトにもはまりつつある感じ。ウエイトして筋肉つけないとやっぱり勝てないなと感じてきて」と谷岡選手はいう。

磨きをかけたパンチ力で3冠へ
世界で通用する選手になるために、パンチ力にも磨きをかけている谷岡選手。「インターハイで優勝しないと、世界はないと思う。その通過点ではないが、まずはインターハイ3冠(男子団体・男子シングルス・男子ダブルス)できるように臨みたい」と語った。

女子の注目ペア
一方、インターハイ団体で10大会連続で決勝に進んでいる女子の中心は、ペアで日本代表に選ばれた山北奈緒選手と須藤海妃選手。

須藤選手が前でチャンスメイクし、山北選手の力強いショットで得点を重ねるのが2人の得意スタイル。高校に入って本格的にペアを組むと、2022年の全日本ジュニアを制し、2023年7月には19歳以下のアジア大会で優勝。女子ダブルスとして日本初の快挙を成し遂げた。

山北選手は「高校に入ってから、アジアジュニアで優勝するのを目標にしていたので、優勝が決まった瞬間は今までにないくらい安心してすごい泣きました」と振り返る。

強さの秘密は”負けず嫌い”
福岡県に生まれ、6歳からバドミントンをはじめた須藤選手。「負けず嫌いで泣き虫で、もう大変なんですよ。小学生のころ、試合中にも泣いてました」と本人はいう。

山北選手は埼玉県出身だが、2人は小学生の頃からよく対戦したそう。須藤選手は「山北選手は小学生のころから、負けん気がすごいし元気だし。試合は絶対あたりたくないと思っていた」という。

負けず嫌いが向上心に
生粋の”負けず嫌い”な2人。須藤選手は「どんなにきつくても、絶対やり切る。トレーニングでも絶対誰にも負けたくないし、やると決めたことは絶対最後までやる」と話す。

山北選手も「練習中でもミスにこだわって、どうやったら次は入るのかとか、もっといいところにいくのかを常に考えるようにしている」と納得するまで何度も話し合っているのだそう。負けず嫌いゆえの尽きない向上心こそ、このペアの強さの秘密のようだ。

負けっぱなしで終われない
春の選抜大会では3種目(団体・シングルス・ダブルス)いずれも準優勝に泣いた2人。負けっぱなしでは終われまない。須藤選手は「ずっと柳井商工に負けているので、今年こそは絶対みんなで優勝して、笑顔で終わりたいなって思っています」と意気込みを語った。

3選手の描く未来
将来も非常に楽しみな3人に、夢を聞いた。
谷岡大后選手は「何年後になるかはわからないんですけど、まだ男子で誰も達成できていないので、オリンピックで優勝できるように頑張ります!」と話し、須藤海妃選手は「バドミントンではオリンピックに出て、金メダルをとる」山北奈緒選手も「一番大きな夢は、オリンピックで金メダルをとることです」と、3人とも「オリンピックで金」と答え、すでに世界を見据えていた。

本多監督も「将来、オリンピックに絡んでくる選手になるだろう」と評価していた。今後の3人の活躍から目が離せない。
(福島テレビ)