使われなくなった着物を洋服にリメイク。そんなビジネスを、岡山・倉敷市真備町で美容院を営む会社が展開している。日本の伝統を身近に感じてほしいと、8月10日に専門店をオープンした。
被災から復活した“着物リメイクブランド”
JR倉敷駅近くの倉敷本通り商店街に8月10日オープンした「竹姫」は着物リメイクブランドの専門店だ。

有限会社エムツー・石井成幸取締役:
これが着物をリメイクしたジャケット。(素材は)大島紬でシルク

店内には2種類の着物の生地を組み合わせて作った男性用のジャケットや、着物の柄を生かしたネクタイなどがならぶ。

竹姫は元々、打掛と呼ばれる高価な婚礼用の着物をドレスにリメイクするブランドとして、真備町で美容院を営む「M2(エムツー)」が2011年に立ち上げた。

エムツー・石井成幸取締役:
(打掛は)なかなか使われる機会が少なくなって、何とか世の中にもう一度出せないかと始めた

しかし、5年前の西日本豪雨で被災。美容院の2階に保管していた竹姫の着物ドレスはほとんど水に漬かってしまい、廃棄せざるを得なかった。
その後、2019年の年末に真備町で美容院の営業を再開させると、聞こえてきたのは「竹姫も続けてほしい」という声だった。

エムツー・石井成幸取締役:
美容院の客から「私の着物を使って何かできないか」と着物を持ってきてくれた

被災から4年後、常連客の後押しで竹姫を再開。今ではリメイクの作業を手伝ってくれる人もいるという。

エムツー・石井成幸取締役:
真備のお客さんで(着物を)ほどいてもらったり、クリーニングしてもらったり、ほとんど真備で製造しているジャケット。1人でも多くの人に見てもらいたくて店を出そうとしている
真備町の人たちの思いも背負い、店は船出した。
(岡山放送)