あるミュージシャンが行った講演会が話題となっている。中学時代は暴行事件などで何度も補導されたものの、ある出会いから、更生した経験を語った。
荒れていた中学時代 更生の経験を語る
大阪・泉大津市の中学校で、400人以上の生徒を前に語りかける卒業生の男性。自分の中学校時代をこう振り返る。

EINSHTEINさん:
やっぱ後悔していることは、お母さんに頭下げさせていたことですね

歌手のEINSHTEIN(アインシュタイン)さん(25)。中学生時代、裕福でない家庭環境などを理由に、飲酒や喫煙、暴行などの非行に走るようになり、何度も警察に補導され、中学校も3回停学になった。
EINSHTEINさん:
すぐ怒っちゃって、すぐ暴力に走るっていうのが多々あって。暴行事件で先生に手を上げてしまったりとか

警察によると、2022年の1年間で、大阪府下で深夜徘徊などの不良行為で補導された少年は約3万5,000人。近年、SNSに起因するパパ活や大麻事案なども増えていて、自由な時間が増える夏休みは、犯罪に巻き込まれる危険性が高まるということだ。
「本当に自分のことを思ってやってくれている」

EINSHTEINさんが更生するきっかけとなったのは、信頼できる大人との出会いだった。
EINSHTEINさん:
味方がいるっていうのに気付いたのと、居場所ができた

EINSHTEINさんが通っていたのは「少年サポートセンター」。自治体や警察などが連携し、ケースワーカーが面談や課外活動などを通じて、悩みや課題を探り、非行に悩む親と子を、立ち直りに向けて支援する施設だった。 EINSHTEINさんは非行を繰り返した末、警察官から「鑑別所に入るか、センターに通うか」を迫られ、センターに通い始めた。
EINSHTEINさん:
回数を重ねていくごとに、「この人たちって本当に俺のこと思ってやってくれてるんやな」っていうのを心で分かるようになってきて、これ以上この人たちのこと裏切りたくないっていう気持ちに変わっていきました。もうちょっと大人になるまでは、夜中ばかみたいに出歩くのやめようとか、まず暴力も絶対だめっていうのも、ゆっくりゆっくり時間をかけてできるようになりました
変に大人ぶらずに、全力で子供に

EINSHTEINさんは、自身の経験から少年らに自分を大切にしてほしいと伝えた。

EINSHTEINさん:
中学生のころ、早く大人になりたくて仕方がなくて、大人ぶった行動をして迷惑を掛けたんですけど、今10代の方は、変に大人ぶらずに、全力で子供になった方が絶対楽しいと思います。なので全力で子供やってください
「思ってくれる人がいる」そんな気持ちが少年たちを非行から守ることにつながる。
(関西テレビ「newsランナー」2023年8月3日放送)