全国高校野球選手権・静岡大会を初めて制し、夢舞台への切符を手にした浜松開誠館高校。チームを率いる佐野心 監督について、かつての教え子で、甲子園を湧かせた“伝説の二塁手”町田友潤さん(常葉菊川高OB)に聞いた。

創部26年目でつかんだ夢舞台

静岡大会を制した浜松開誠館野球部
静岡大会を制した浜松開誠館野球部
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7月29日、東海大静岡翔洋高校との乱打戦を制し、春・夏通じて初の甲子園出場を決めた浜松開誠館高校。創部26年目にして、ようやくつかんだ夢舞台だ。

監督は元プロ野球選手

中日ドラゴンズ入団内定時の佐野監督(1991年撮影)
中日ドラゴンズ入団内定時の佐野監督(1991年撮影)

チームをけん引するのが2017年から指揮を執る佐野心 監督(56)。県内の古豪・浜松商業高校3年時に夏の甲子園に出場した佐野監督は、その後、専修大学、いすゞ自動車を経て、プロ野球・中日ドラゴンズに入団。常葉菊川高校(現 常葉大菊川高校)の教員時代は部長として春のセンバツ優勝(2007年)、夏の甲子園ベスト4(2007年)を経験したほか、監督として夏の甲子園準優勝(2008年)に導いた。

選手がプレーしやすい雰囲気作る

県知事に甲子園準優勝を報告する佐野監督と盾を持つ町田さん(2008年撮影)
県知事に甲子園準優勝を報告する佐野監督と盾を持つ町田さん(2008年撮影)

常葉菊川時代の教え子で、その華麗な守備から“甲子園史上最高の二塁手”“伝説の二塁手”などと称された町田友潤さんは佐野監督の指導・采配の特徴について「細かいことを一切言わず、選手がプレーしやすい雰囲気を作り、試合に送り出してくれる」と振り返った上で、準優勝した際の甲子園でのエピソードを教えてくれた。毎試合前のミーティングでは決まって一言「今日もみんなの試合を誰よりも良い席で観させて下さい」とだけ言われたそうだ。

ユニフォームデザインを手がけたのは…

浜松開誠館のユニフォームは佐野監督がデザイン
浜松開誠館のユニフォームは佐野監督がデザイン

また、町田さんは佐野監督の意外な一面として美術館巡りが大好きであることを挙げる。さらに自らデザインを描くことも得意とするなど芸術的な一面があり、浜松開誠館のメンバーが試合で着用している現在のユニフォームも佐野監督自身がデザインを手がけたという。

カギは“持ち前の投手力”

現在は障がいのある子どもの支援施設を経営する町田さん(2018年撮影)
現在は障がいのある子どもの支援施設を経営する町田さん(2018年撮影)

最後に、自身も4度 甲子園の土を踏み、静岡大会の決勝を現地で観戦したという町田さんに浜松開誠館が全国で勝ち上がるためのポイントを聞くと「甲子園では毎試合打ち勝つことはなかなか難しいので、持ち前の投手力を軸として、余分な失点を許さなければ十分に戦える」と話し「甲子園は試合を重ねるごとにチームとして成長できるので、怖がらずに静岡県の代表としての誇りを持って戦ってほしい」とナインにエールを送ってくれた。

初戦の相手は熊本代表・東海大熊本星翔

8月3日、大阪府で夏の甲子園の組み合わせ抽選会が行われ、浜松開誠館は大会5日目の第1試合で熊本県代表・東海大熊本星翔高校と対戦することが決まった。

(テレビ静岡)

テレビ静岡
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