レギュラーガソリンの平均価格が全国で最も高い長野県。ドライバーからは困惑の声が上がっていて、安い隣県で給油する「越境給油」の動きも出ている。なぜ、県内はこうも高いのだろうか。気になるエコドライブについても取材した。

184.2円 10週連続で全国最高値
7月24日時点の長野県内のレギュラーガソリンの平均価格は、1リットルあたり184.2円。
10週連続で全国の都道府県で最も高い結果となった。
ウクライナ情勢や円安の影響によるガソリン価格の高騰。価格を抑えるため政府が出してきた元売り各社への補助金が減ったこともあり、ここにきて価格はさらに上昇している。

ドライバー「長野は昔から高いよ」
ドライバーからは、「値段は上がっていく一方で大変だ」、「長野は昔から高い、生活の中で使わないわけにはいかないから」、「コロナがだいぶ落ち着いてきて、車の使用量、頻度が元に戻ってきたので、もろ直撃」などと困惑の声があがっている。
また、新潟は「全然違う、30円くらい違うよ」という指摘も…。

少しでも安くと「越県給油」する人も
実際に新潟県へ行ってみた。
上越市内・妙高市内のレギュラーの表示価格は、多くが160円台。
やはり、県内より安くなっている。
境を接する信濃町の住民の中には、少しでも安くと「越県給油」をする人も多いようだ。

長野県周辺の8県は170円台
ただ、これは新潟県境に限ったことではないかもしれない。
実は長野県周辺の8つの県はいずれも170円台で、県内よりも10円ほど安くなっている。
なぜ、隣県とこれほど差があるのだろうか?

輸送コストなどが価格に影響
長野市や千曲市でガソリンスタンドを経営する渡辺商事の渡辺一正会長に聞いた。
渡辺商事・渡辺一正会長:
長野県の場合は運賃がどうしても高い。長野県というのは道路が非常に長いんです。峠があるし、そしてスタンドの数も非常に多いです。長野県の場合は販売量が一つのスタンドにおいて少ないわけで、少ないからどうしたって利益を取らなければならない。決して高いというふうに思っちゃいけないと思うんですよね
輸送コストや店舗の数や規模などが、価格に影響しているという。

価格はさらに上昇か
渡辺会長も現在の状況を憂いているが、元売り各社への補助金が9月末には終了するため、価格はさらに上昇するとみている。
渡辺商事・渡辺一正会長:
一応9月末でケジメをつけるとはっきりしていますので、10円は値上がりするだろうと。仕入れの上がった分は、お客さんに転嫁せざるを得ないということになる。これはもう、やむを得ないことじゃないかと

「節約術」をJAFに聞いた
こうなると、いかに燃料を節約するかが重要になってくる。
日本自動車連盟・JAFは「エコドライブ」を推奨している。
JAF長野支部 交通環境係・吉川瑠美さん:
環境にも優しい、お財布にも優しい、さらには交通安全にもつながるのがエコドライブ

最も心掛けたいのが、燃料の消費が多い発進時の「ふんわりアクセル」。
JAF長野支部 交通環境係・吉川瑠美さん:
大事なところは足全体でペダルを押すというところになります。つま先だけでアクセルワークをしている人がいますけども、足の裏全体でアクセルを押してあげることが大事になります。5秒間で時速20キロを目指していただければなと思います

燃費向上には他にも、「巡航時」は車間にゆとりを持ち、急にスピードを出したり、落としたりしない運転を心掛ける。
「減速時」は早めにアクセルを離してエンジンブレーキを利かせる。
「停止時」は無駄なアイドリングをやめる、など。

またタイヤの空気圧を小まめに点検したり、不要な荷物は降ろしておくことも燃費向上に有効だ。
暑さが厳しい夏は、エアコンの使い方にも注意を。
JAF長野支部 交通環境係・吉川瑠美さん:
窓を全開にします。外の空気と中の空気を入れ替えて、この状態で外気循環にした状態で運転します。中の空気が入れ替わってある程度冷えてきたところで、内気循環にいたしまして、窓を閉めます。短時間で温度を大きく下げられますので、燃料や排ガスを抑えられ、エコドライブにつながる
ガソリン高騰の夏。
車での行楽の際は、財布にも環境にもやさしい、エコドライブを心掛けたいものだ。

(長野放送)