北海道でも小中学校の夏休みが始まっている。

子どもを持つ親に夏休みの予定を聞いてみると…

この記事の画像(14枚)

「手稲の方のプールにも行きたいな」という札幌市民の声。

7月15日から8月27日まで期間限定でオープンした「ていねプール」

敷地面積は北海道内最大級。屋外プールだ。

全長250メートルの流れるプールや、次々と波が押し寄せる波のプールが大人気だ。

プールに潜む”熱中症”の危険

「歩いているときにすごく地面が熱いので気になった」(市民)

「裸足だととても熱い」(利用していた子ども)

プールは冷たくても、プールサイドは灼熱状態。

大人よりも子どもはさらに注意が必要だ。

これは、身長170cmの大人と身長120cmの子どもが接する気温を比較したもの。

サーモカメラで見てみると…その差は一目瞭然。

大人の胸のあたりは31.1度だが、子どもは38.2度と約7度も違う。

地面からの照り返しで、子供の方が身長が低いため地面からの照り返しの影響を受けやすいのだ。

市民からも「子どもは濡れていても一瞬で乾いている。子どもの方が暑いんじゃないか」という声が聞かれた。

熱中症の危険性が高い子どものためにも、日陰で休む時間が必要だ。

テントの中は”温室状態”

テントの持ち込みができるていねプールでは、日差しを避けたり、着替えのためにテントを使う人が多くいる。

しかし…

「締め切った空間にいると熱中症のリスクもあり、中に子どもだけを残して遊びに行かないようお願いしている」(ていねプール 日戸 雄介さん)

実際にテントを借りて、気温を計ってみると、入り口を開けている状態の気温は約28度だったのに対して、10分間締め切った後では約34度と6度近く気温が上がっていることがわかった。

水の中でも”熱中症”?

であれば、水の中にいれば安心…というわけでもない。

冷たいプールに入っていても脱水症や熱中症に陥る可能性があるという。

北翔大学 生涯スポーツ学部の花井篤子教授によると、水中でも知らず知らずに汗をかくことで「発汗による脱水」の危険があるという。

また、陸上では汗をかくことによる気化熱で体温が下がるが、水中だと汗をかいても気化熱が作用せず「体温上昇」の危険があるということだ。

対策は、30分~1時間ごとに休憩すること、こまめな水分補給を心がけること。

また気温と水温の合計値にも注意が必要という。

花井教授によると気温と水温の合計が65℃を超えると、プールといえども熱中症のリスクが増大し、水遊びには適さないという。

これらの対策を取ることで、子どもの熱中症を防いでいきたい。

北海道文化放送
北海道文化放送

北海道の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。