甚大な被害が出ている秋田県を襲った記録的大雨。浸水被害を受けた秋田市の小児科は、依然として休診を余儀なくされている。被害は想像以上に大きく、再開には時間がかかる見通しだ。

壁を“高さ90cm”まで総張り替えに

浸水した壁材を張り替える作業
浸水した壁材を張り替える作業
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次々と運び込まれる建築資材。同時に、壁を剥がす作業が行われている。

秋田市広面の「ちば小児科アレルギークリニック」は7月15日、近くを流れる太平川が氾濫し、建物の65cmの高さまで水が入り込んだ。

17日に「ライブニュースあきた」が復旧作業の様子を中継で伝えた際は、職員がモップなどを使って床に残る泥水を掃き出していた。

ちば小児科アレルギークリニック・千葉剛史院長(17日の中継時):
大型の使えないものは運び出さなければいけないので、マンパワーなどが必要かなと考えている

片付け作業が進むにつれ、事態が想像以上に深刻であることが分かった。

ちば小児科アレルギークリニック・千葉剛史院長
水を全部掃き出してきれいにした後も、廊下に水が出てくる。壁紙を取ってみると、中の木などがカビ始めていた

断熱材が水を吸い、木材にはカビが発生していた。

千葉院長は、建物の耐久性や衛生面を考慮し、壁を高さ90cmまで、すべて剥がすことに決めた。

ちば小児科アレルギークリニック・千葉剛史院長
ショックだが、クリニックを続けるとしたらやるしかないのでしょうがない。具合が悪くなった子どもたちの役に立って、元気になっていく姿を見られるのはうれしいこと

1日でも早く診療ができるように…

壁の張り替え作業が行われている一方、別の部屋には看護師が集まっていた。

補充する備品を選ぶ看護師たち
補充する備品を選ぶ看護師たち

看護師:
失ってしまった備品を、みんなでカタログを見て選んでいる

看護師:
備品も高い所に保管して、診療していけるように

看護師:
「患者が待っている」という声も聞こえてきている。安心して受診できるよう、環境を整備したい

浸水対策として高い位置に変更されたコンセント
浸水対策として高い位置に変更されたコンセント

病院の入り口付近では、新しく石こうボードが施工されている。コンセントは当初低い位置にあったが、今後の浸水被害への備えとして高い位置に変更された。

秋田市では一時、20に上る病院やクリニックが休診、または一部休診に追い込まれた。ちば小児科アレルギークリニックの一部の診療再開は、早くて8月上旬となる見込みだ。

ちば小児科アレルギークリニック・千葉剛史院長
夏風邪、ヘルパンギーナはピークアウトしつつある状況かと思うが、夏休みに入り首都圏との移動が出てきて、また新型コロナが流行する可能性が出てきている。1日でも早く感染症やアレルギーの子たちに対応できる環境が作れればと思い、日々頑張っている

(秋田テレビ)

秋田テレビ
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