全国での流行が続く、ヘルパンギーナをはじめとする夏風邪。宮城県の患者数は2週連続で全国最多となった。そんな中、仕事などで休みの取れない保護者に代わり、症状がある子供たちを預かる「病児保育施設」のニーズが高まっている。仙台市内の施設の現状を取材した。

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ニーズ高まる「病児保育施設」

取材班が向かったのは、仙台市青葉区にある認可保育所「わくわくモリモリ保育所」。体調を崩し保育園や小学校などに行くことができない子どもを預かる「病児保育」の施設だ。一般の保育所も併設しているというこちらの施設。病児保育の定員は4人。看護師1人、保育士1人の計2人で対応にあたっている。

仙台市が委託する病児・病後児保育施設は5カ所あり、料金は一律1日2000円。民間の施設は市内に16カ所ある。いずれも利用するには予約が必要だ。ヘルパンギーナなどの感染拡大によってニーズは高まっていて、掛け持ちで予約を入れる保護者も少なくないという。

「1対1のかかわり」対応人数には限界が…

この日、施設を利用していたのは、ヘルパンギーナの症状がある子供など定員ギリギリの4人。施設の担当者は「6月のヘルパンギーナの警報がでる前ぐらいから、毎日10人は予約が入っている状態が続いている」と話す。

定員4人の施設に10人の利用希望者。「もっと多くの子供を預かりたい」そんな気持ちがある一方で、発熱や咳など、子供たちの症状は様々。こまめな水分補給や1時間ごとの検温など、一般的な保育よりも配慮が必要なため、対応できる人数には限界があるという。そんな中でも、この施設では、保育部屋を2部屋設け、子供たちの症状別に保育できるようにするなど、感染拡大を防ぐための取り組みが行っていた。

保育部屋は2カ所用意されている
保育部屋は2カ所用意されている

「常に様子をみて急変しないかを注意深く見ています。初めての場所に連れてこられて気持ちの面でも不安だと思うので1対1のかかわりを大事にしています」
(わくわくモリモリ保育所・保育士 金今美沙希さん)

ヘルパンギーナ患者数「全国最多」宮城県

提供:静岡県
提供:静岡県

宮城県内のヘルパンギーナの患者数は、6月に入り増加。大崎保健所管内の1医療機関あたりの数字が基準値を上回ったことで、県独自の警報を発出。感染対策を呼び掛けて来た。しかし、患者数はその後も増加。7月3日から9日の1週間の患者数は23.2人と、6週連続で増加している。国立感染症研究所の最新のまとめで見ると、1医療機関当たりの感染者数は、全都道府県の中で、宮城県が2週連続で最も多くなっている。(6月19日~25日、6月26日~7月2日)

保護者のSOSを受け止める「病児保育施設」。施設では、不安を抱える保護者に少しでも寄り添えるよう体制を整えていきたいとしている。

(仙台放送)

仙台放送
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