7月13日午前、鹿児島・奄美大島で撮影されたのは、重機でつり上げられた、大きなウミガメ。海岸近くで側溝にはまっていたところを救助された。島民が力を合わせての救出大作戦、その一部始終をまとめた。

散歩していた住民が発見

側溝の中に傾いた状態ではまっていたのは、甲羅の長さ95cmの大きなウミガメ。側溝の幅は40cmで、深さは60cmほどだった。

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ウミガメが見つかったのは、奄美市名瀬長浜町にある下水処理場近くの道で、午前5時ごろ、散歩をしていた住民が発見した。

なぜ、こんなところでウミガメが見つかったのだろうか。

産卵場所を探して…

救出活動に参加した奄美海洋生物研究会の興克樹会長は、見つかった足跡から移動経路を推測した。

このウミガメは、発見された現場から400mほど離れた砂浜に上陸し、その後、階段を下り、発見場所まで移動し溝にはまったとみられる。

降りたとみられる階段
降りたとみられる階段

見つかったのはアオウミガメのメスで、産卵場所を探す間に迷い込んだ可能性があるという。

ウミガメ救出大作戦

発見から約4時間後、海洋生物研究会のメンバーや奄美市の職員ら約15人で救出を開始した。重さが100kg以上あるため、重機でカメをつり上げるなど、救出活動は大がかりなものとなった。

1時間ほどかけて近くの港に連れてこられたウミガメは、重機からゆっくりと岸壁に降ろされた。

 

ウミガメは、海を目指して前進を続けるが、疲れからか、呼吸が荒くなっているように見えた。

呼吸が荒くなっているよう…
呼吸が荒くなっているよう…

最後は興会長に、背中ならぬ“甲羅”を押してもらい、ウミガメは無事に海に帰って行った。

現場に居合わせた中学生:
竜宮城に連れていってくれるのかな

現場に居合わせた中学生:
海に行ったときに一緒に泳げたらいいと思った。もう側溝にはまらないで、海で泳いでほしい

今回の救出劇について、奄美海洋生物研究会・興克樹会長は...。

奄美海洋生物研究会・興克樹会長:
市民の方が発見して市役所に連絡した。助けてあげたいとの気持ちが広がっていてうれしい。(今回の救出は)1人ではできないことで、業者も重機を出してくれて、みんなで助けることができたのがうれしいですね

“結いの心”でウミガメを助ける島民
“結いの心”でウミガメを助ける島民

奄美にはみんなが協力して助け合う「結い(ゆい)の心」という言葉がある。今回のウミガメ救出劇、その原動力は、奄美の「結いの心」そのものだった。

(鹿児島テレビ)

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鹿児島テレビ
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