突風被害に見舞われた茨城・行方市の現場。

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道路上に倉庫の屋根が飛ばされていて、敷地内には柱だけになった倉庫が残っている。

FNNが入手した現場近くの防犯カメラ映像では、7月12日午後5時過ぎ、激しい雨と風の様子をとらえていた。

この突風により建物1棟と電柱など3本が倒れ、市内では約310軒が一時停電した。

防犯カメラが真っ白に!“ダウンバースト”が発生か?

被害状況を見た専門家は、このような見方を示している。

名古屋大学・横浜国立大学 坪木和久教授:
限られた情報の中から、可能性としてダウンバーストが起こったということはあり得ると思う。

ダウンバーストとは、積乱雲から吹き降りた気流が地面にぶつかり、辺り一面に強い風が吹く現象。

防犯カメラ映像
防犯カメラ映像
ダウンバースト発生か…画面が真っ白に
ダウンバースト発生か…画面が真っ白に

坪木教授によると、防犯カメラの映像で画面が真っ白になっているのは、上空の雲が吹き降りたためだとみられ、ダウンバーストが発生した可能性が高いという。

「竜巻注意情報」が大幅に増加 気象予報士が原因を指摘

関東の北部などでは、11日も突風による被害が相次いだ。

埼玉県 住宅の屋根が飛ばされた
埼玉県 住宅の屋根が飛ばされた
茨城県 ゴルフ場のポールが折れた
茨城県 ゴルフ場のポールが折れた

埼玉・幸手市では住宅の屋根が飛ばされ、茨城・境町ではゴルフ場のポールが折れるなどの被害が出ている。

気象庁は、竜巻など激しい突風が起こると予測された場合、「竜巻注意情報」を発表。

2023年は6月27日~7月12日までに、関東各県で頻繁に発表されている。
2022年と比べると出される数が大幅に増えていることが分かる。

原因は何なのか?
徳田留美気象予報士は、“日本海側に停滞している梅雨前線”と“関東地方の暑さ”が関係していると指摘する。

徳田留美気象予報士:
現在、梅雨前線が日本海に停滞していて、南から湿った空気が次々と流れ込んでいる状況です。梅雨末期で水蒸気の量がかなり多く、さらに、関東では気温が非常に高くなったので、大気の状態も非常に不安定となりました。積乱雲が発達して、突風が発生したと考えられます。

梅雨前線は、しばらく日本海側に停滞する見込みで、引き続き北関東を中心に突風などへの警戒が必要だ。

(「イット!」7月13日放送分より)