
若者を中心に人気を集める、10円玉そっくりのスイーツ「10円パン」。そのルーツである“韓国スイーツ”、10ウォン硬貨そっくりに作られた「10ウォンパン」が、今、生産中止の危機に陥っている。

パンを見てみると、デザインは実際の硬貨と比べてもそっくり。「The Bank Of KOREA(韓国銀行)」と書かれている。

カステラのような生地に、チーズがたっぷりと入って人気の10ウォンパンは、日本円で1個330円ほどで売られている。

2019年から販売が始まるとSNSなどで注目され、韓国スイーツとして人気に。

尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が、大統領選の際に食べたことでも話題となった。

しかし、その販売に待ったをかけたのが、10ウォン硬貨を発行する韓国銀行だ。“貨幣のデザインを許可無く営利目的で使用することは、法律で禁じられている”と指摘し、デザインの変更を求めた。
街の声は様々…個人経営者は「デザイン変更には多額の費用が」
突然の指摘に、ソウル市民はどう思っているのだろうか。

街で話を聞いてみると、「デザインを変えないでほしい。問題ないと思う」といった声や、反対に「(デザインの)イメージを無断で使用したのであれば、少し問題になるのではないか」といった声が聞かれた。

ソウルには、10ウォンパンだけでなく、500ウォンパンを販売する店もある。

実際の硬貨と比べてみると、500と書かれているのは同じで、裏の鳥のイラストもよく似ていた。

個人経営の店では、韓国銀行からまだ通達は来ていないものの、「デザイン変更は多額の費用がかかるので、小規模な自営業者には難しい」と、困惑は隠せない様子。

ところで、日本で販売されている「10円パン」は、大丈夫なのだろうか?

財務省に確認したところ、「10円パンのように実際の貨幣と見間違う恐れのないものは、取り締まりの対象にはならない」とした。
(「Live News イット!」7月10日放送)