梅雨前線が活発化する中、気象庁は10日朝、福岡県と大分県に大雨特別警報を出した。数十年に一度の大雨となっていて、九州北部を中心に、各地で5つの川が氾濫している。今後、土砂災害などにも最大級の警戒が必要だ。
普段災害が起きないと思われているような場所でも、最大級の警戒を
大雨特別警報を受け、気象庁と国土交通省が10日朝、緊急の記者会見を行い、直ちに身の安全を確保するよう呼びかけた。

気象庁 杉本悟史 予報課長:
これまでに経験したことないような雨になっている。命の危険が迫っているため、直ちに身の安全を確保しなければならない状況です。
普段災害が起きないと思われているような場所でも、最大級の警戒が必要です。

また、気象庁は会見で「最大級の警戒を続けないといけない状況が、しばらく続くのではないかと危機感を高めている」としている。
10日朝から福岡・大分・佐賀で線状降水帯
九州北部では、福岡県と大分県に大雨特別警報が発表されたほか、福岡県・大分県・佐賀県で線状降水帯が発生した。大雨への警戒が続いている。

雨雲レーダーを見ると9日夜から、九州北部に非常に激しい雨を示す紫色の雨雲がかかり続け、10日朝から、福岡県、佐賀県、大分県で相次いで線状降水帯が発生した。

福岡・久留米市では、午前9時すぎまでの6時間で観測史上1位となる316ミリの雨を観測。久留米市の午前8時ごろの様子を見てみると、道路が冠水し、排水溝から水があふれ出ていた。

また大分・中津市でも、午前9時半過ぎの6時間で227.5ミリの非常に激しい雨が降った。
今後、線状降水帯を発生させた前線は北上し、次第に雨は弱まるが、大雨が続いた影響で、地盤が緩んでいるところもあるため、引き続き土砂災害には厳重な警戒が必要だ。
土砂災害や“川に流された”情報相次ぐ 死亡や行方不明者も
この雨の影響で、各地で土砂崩れや浸水などの被害が相次いでいる。

福岡・添田町では、住宅が土砂に埋まり、70代の夫婦が閉じ込められた。夫婦は救助されたが、妻はその場で死亡が確認された。

佐賀・唐津市では住宅2棟が土砂崩れに巻き込まれた。現在も、男性2人と高齢女性1人のあわせて3人と連絡が取れていない。

また、佐賀・神埼市では市内を流れる城原川にかかる橋の一部が崩落した。けが人などは確認されていない。

佐賀市でも、高齢の女性が土砂で家に閉じ込められたが救助された。命に別条はないという。
そのほかこの週末にも、島根県と山口県で2人が川に流され行方不明になっているが、島根・出雲市で8日、川に転落した車に乗っていて行方不明になっていた70代の男性とみられる人がさきほど、松江市の宍道湖で発見された模様だ。
また、大分県によると中津市の山国川で、人が流されたという情報があるという。警察や情報が確認を急いでいる。
(「Live News days」7月10日放送より)