想像よりも“ナナメ上”に変化を遂げたものに注目する「ナナメ上調査団」。
今回のテーマは、夏の寝苦しい夜にピッタリな見れば肝が冷えるホラー映画。
“生きた化石”や“日本食の代名詞”が次々と襲ってくる、そんな発想が斬新すぎるパニックホラー映画に注目した。
まずは、令和の最新ホラー映画を紹介していく。
仮想現実=VRにも怨念が…
6月16日に公開されたホラー映画『忌怪島(きかいじま)』。
このホラー映画が、令和ならではの進化を遂げている。
解き放たれた赤い女“イマジョ”の怨念が襲いかかってくるのだが、その場所は仮想現実=VRの世界なのだ。

監督は『呪怨』シリーズをはじめ数々のヒットホラー映画を世に送り出してきた清水崇氏。
最新テクノロジーと呪いがシンクロする、現代版の最新ホラー映画だ。
そんな今どきのホラー映画も登場する一方で、世の中には“なぜそんなものが人を襲うの?“と思わずにはいられない、ナナメ上に変化しちゃった映画も存在する。
“サメ映画”への挑戦…?“生きた化石”のパニックホラー映画
“サメ映画”を思わせる、海辺のパニックホラー映画『キラーカブトガニ』。
内容は、凶暴化した生物が次々と襲いかかってくる王道ストーリーだが、人間を襲っているのはサメではなく、カブトガニ。

地球上に出現して約2億年。
“生きた化石”とも言われ、通常は地をはうようにゆっくり動くカブトガニだが、海で突然変異したというこの映画のカブトガニは、人に飛びかかり、移動スピードもめちゃくちゃ速い。
さらに2メートルに巨大化したカブトガニも登場し、町が襲われてしまうのだ。

最終的には超巨大カブトガニが登場し、主人公が作った巨大ロボットと戦うという特撮映画のような展開を迎える。
約80分のこの映画は、監督が脚本、編集も一手に手掛けた意欲作で、完成までに6年かかったということだ。
プールで惨劇も…主人公の一言で解決
2019年にカナダで製作された、夏の風物詩であるプールを舞台にした映画『アクアスラッシュ』。
卒業間近の高校生が仲間と訪れたプールで、3人1組で仲良くウォータースライダーを滑り降りると、まさかの悲劇が待っていた。

3人は、出口近くに取り付けられていた刃物によって無残に殺されてしまうのだ。
さらにそんな血みどろの惨劇が起きているとは知らずに、テンションの高いの若者たちが次々と滑り降り、刃物の餌食となってしまう。

ただ、この映画は何かに襲われたり逃げ惑うシーンはなく、“罠”が仕掛けられているだけ。
そのため、主人公の「下は血の海だ!滑るな!」の一言で、惨劇は難なく解決。
その上、犯人が捕まることもなく、映画は終了する。
ある意味、挑戦的な映画なのかもしれない。
続いては、日本発の襲ってくるものがまさにナナメ上な映画。
日本食の代名詞が次々と凶暴化
舞台は田舎の温泉宿。
その温泉宿で働く、女優・武田梨奈さん演じる「ケイコ」はある日、全身を食いちぎられたような死体を見つけてしまう。
実は襲いかかってきたのは「寿司」だった。

宴会で出た寿司が人食い寿司に変貌する、その名も『デッド寿司』というこの映画は、その襲い方もナナメ上だった。

表面が刃物になり、食べた人を大けがさせる「トロ」に、鋭い牙で噛みつく「いくら軍艦」、さらには火炎放射器で攻撃する「あぶりサーモン」まで登場する。

映画に出演する松崎しげるさんが「台本の意味が分からなすぎる」と、一度出演を断ったという話もある、まさに何でもありな異色パニックホラー映画だ。
ちなみにこのぶっ飛んだアイデアは、監督が回転寿司に行った時に「このタコが襲ってきたら…」とひらめいたのだそう。
暑くて眠れない夏の夜、みなさんもナナメ上に進化した映画で、肝を冷やしてみてはいかかでしょうか。
(ノンストップ!『ナナメ上調査団』より 2023年7月4日放送)