夏の高校野球福島大会は7月8日に開幕する。0対39という大敗から成長を遂げた、創部6年目の会津北嶺高校。進化の伸びしろで新たな歴史を作ろうとしている。
寮で食事面もバックアップ
夕方になると厨房は大忙し。学生寮厨房担当・渡部伸栄さんに、この日のメニューを聞くと「いっぱい食べてもらえるように、鶏と豚のちゃんこ鍋。鶏と豚肉4キロ入っています」と体が大きくなるよう考えられた食事が用意されていた。

部員数51人の会津北嶺は、2022年4月から学生寮の運用をスタート。1・2年生24人が生活していて、栄養管理の面から選手の体づくりを支えている。選手も「練習に疲れてからの、このおいしいご飯なので助かっています」と大満足の様子。

厳しい環境で…県外出身者も
北浦空來選手は沖縄・石垣島出身。故郷を離れ、入部した理由があった。「雪国だともっと厳しい環境でできると思ったので、一番は自分を厳しい環境でどれだけ追い込めるかということでここに来ました」

創部1年目の厳しいスタート
厳しい環境を求め入部してくる部員が多い会津北嶺。その歴史のスタートは厳しいものだった。2018年、創部1年目で臨んだ夏の福島大会で日大東北に0対39で敗れた。

篠原良部長は「野球部として”会津北嶺高校を背負って戦う”という責任感が強くなっていった試合だった」と振り返る。

専門コーチで丁寧な指導
ここから始まったチームの改革。監督が一人でチームを見るケースも少なくないなか、打撃コーチ・守備コーチ・投手コーチと専門のコーチを置き、丁寧で細かな指導に繋げている。

山本コーチが宮城投手に「今の感覚だと1試合もたないから、今までの感覚ときょうの感覚をすり合わせながらやってみて」とアドバイスを送る。

エースの宮城智大投手は5種類の球種を操る技巧派右腕。ボールの回転数を測ることができる機器を2021年導入し、いわゆる「キレがあるボール」に磨きをかけている。「専門のコーチがいて、コーチと一緒に練習していったら三振などとれるのが一番成長したかなと思う」と宮城投手は語る。

挑戦者という気持ちを忘れずに
2022年秋の会津支部大会で初優勝すると、春の県大会では初のベスト8入り。原太一主将は「一戦一戦目の前の敵に向かって全力でやっていけるように、挑戦者という気持ちをもって素直な気持ちと感謝の気持ちをもって戦いたい」と意気込みを語った。

進化の「伸びしろ」を武器に、チームの新たな歴史をつくる。

(福島テレビ)