北海道・別海町の野付湾で先週からホッカイシマエビ漁が始まっている。風を操り、エビを取る伝統の漁を取材した。

"海のルビー"求め、やってくる客も

鮮やかに、赤く輝くホッカイシマエビ。

この記事の画像(12枚)

希少価値の高さから「海のルビー」と呼ばれている。

北海道東部・別海町の野付湾では先週から漁が始まった。漁は打瀬舟と呼ばれる三角の帆を張った船で行われる。

ホッカイシマエビは水深1メートルから3メートルほどの海底に生い茂る海草・アマモに生息。船のスクリューではアマモを傷つける恐れがあり、風の力だけで操るこの打瀬舟の漁が明治時代から受け継がれている。

漁師 山口 光明さん:
エビのいる場所、風も読まないと。風を見てあっち行ったりこっち行ったり…

網いっぱいにホッカイシマエビが取れた。透き通った緑色が新鮮なしるしだ。

漁師 豊田 幸雄さん:
この風では良い方じゃないかな。エビはそろっている感じ。これからだな

期間中、取れるのは1隻500kgまで。貴重な資源を未来に残すため水揚げ量は厳しく管理されている。

漁師 豊田 幸雄さん:
絶対守るべきだし守らないとダメなんだわ。二十数人しかエビ取る人がいないのだから、自分たちで守っていかないと

水揚げされたエビは競りのあと、すぐに加工場で塩ゆでされる。味を決めるのは塩加減と、ゆで時間。約3分間ゆでたあと氷水で冷やし、うまみを閉じ込める。

別海町の直売所では水揚げの翌日から販売開始だ。大きいサイズで1パック5,000円。初ものを目当てに客が訪れる。

購入した客:
ここしか食べたことないので、いつも。おいしい、甘くて

購入した客:
(食べて…)おいしいです

夏のホッカイシマエビ漁は7月7日まで続く。

(北海道文化放送)

北海道文化放送
北海道文化放送

北海道の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。