福井駅周辺の再開発で、県内最高層となるビルの建設が進んでいる。工事完了・オープンは北陸新幹線開業となる2024年春。建設作業が進む一方、役目を終えた巨大クレーンの撤去も同時に始まっている。なかなか見ることのできない解体作業を取材した。

高さ120メートルにある巨大クレーン

アジサイの名所としても知られる、福井市の足羽山。その展望台から見えるのが、福井駅前の景色。新幹線開業に向け、ビルの建設が着々と進んでいる。

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再開発が進むのは、JR福井駅西口を降り立つとすぐ目の前にある区画だ。

上空から見ると三角形に見えることから、通称「三角地帯」と呼ばれる。この一部では今、県内最高層ビルの建設が進んでいる。

高層ビルの建設に欠かせないのが「タワークレーン」という重機だ。何トンにもなる重い資材をフックにひっかけ、強力な巻き上げモーターを稼働させて上層階へと運び上げる。

福井市中心部でビルの建設作業が始まったのは2022年5月から。自ら組んだ鉄骨を足場にクレーン本体も上昇し、2023年3月にはビルは県内最高層の120メートルに達した。

2022年12月、福井テレビは作業員に依頼して、高さ100メートルのクレーン運転室付近から映像を撮影してもらった。福井市中心部の市街地や、近くを流れる足羽川、南西に延びる建設中の新幹線の線路などが一望できる。

この日は晴れで、操縦するオペレーターの男性も「眺めはいいですよ」とにっこりほほ笑んだ。

“県内最高層”で繰り広げられる匠の技

外装工事などが完了し、タワークレーンは役割を終えた。そして6月19日からクレーンの解体作業が始まった。取材の日は成人男性の3倍ほどの大きさの部材を、慎重に地上へと下ろしていった。

しかし、地上120メートル地点にあるクレーンは一体、どうやって解体されるのか?

まず、このクレーンを使い、屋上に一回り小さなクレーンを組み立てる。次に巨大クレーンを分解し、この解体用の小さなクレーンを使って解体した部材を地上に下す。その後、さらに小さなクレーンを組み立てて…という作業を3回繰り返して、撤去を終える。期間は7月上旬までの1カ月間ほどかかるという。

県内最高層ビルのオープンは、新幹線開業と同じ2024年春を目指している。ビルには高級ホテルを運営するアメリカ、マリオット系列のホテルが入るほか、飲食店が立ち並ぶ「フードホール」も計画されている。

(福井テレビ)

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