福岡県にある美容専門学校で18歳の男子生徒が死亡した、バーベキュー中の事故。
FNNは9日、事故現場にいた生徒に取材した。

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この生徒は事故後に学校の先生と面談。
このとき、証拠隠滅ともとられかねない言葉を投げかけられていたことがわかった。

生徒:
事故の時の写真や動画は消してほしいという生徒がたくさんいたから消してほしい。
亡くなった生徒やその家族のためにも消してほしいと何度も言われています。


学校側はこうした対応をしたのだろうか。
学園長に話を聞くと…

古賀 郁学園長:
事故後に校長が担任を通じて、各クラスのLINEで「動画をSNSなどに流さないように」と伝えた。証拠隠滅の意思はなく、不要な憶測を呼ばないため。ちなみに動画の削除は指示していないはず。

学校では5月、バーベキュー中に火が消えそうになったコンロに、20代の男性教師が手の消毒用アルコールを投入。
4人の生徒に火が燃え移り、18歳の男子生徒が死亡している。

事故当時の状況について、副理事長はこう話している。

副理事長:
亡くなった生徒は事故発生直後、上半身だけでなく、下半身についても「熱い」と言っていた。上半身の服も下半身の服も火が移っていたようだ。特に胸のあたりなど、やけどで皮が剥がれ、白く見えていた。

一瞬で天井まで炎が…アルコールの危険性を検証

火に直接アルコールを注ぐことは、どれほど危険なのだろうか。
FNNは9日、福岡市消防局の協力のもと、実験を行った。

霧吹きでアルコールをかけると、一瞬で火が大きくなるが、アルコールを直接注ぐと、大きな炎が天井近くまで上がった。

さらに、飛び散ったアルコールが地面でも燃え続け、アルコールがついた衣服に火がつくとなかなか消えない。

床に飛び散ったアルコールにも引火
床に飛び散ったアルコールにも引火

男子生徒はこうした炎にさらされた可能性がある。

理事長自ら消毒用アルコール使用か

また、問題になったアルコールをめぐり、新たな事実も明らかになった。

バーベキューには学校のトップである60代の男性理事長も参加していて、12台のコンロに火を起こす際、理事長自ら、消毒用アルコールを使っていたという。

理事長は着火した後、アルコールを片付けるよう指示したというが、その後男性教師が使い、事故につながっている。

FNNは理事長に直接話を聞くことができた。


ーーアルコール消毒液を使うよう、理事長の方から指示されたんですよね。

理事長:

いや、それも含めてですね、あの……ご両親の、あの……今とても、あの……デリケートな心になっておりますからですね、あの……それもちょっと控えさせていただきたいと思っているんですよ。


理事長は事故当時の状況について明言しなかった。


また、「イット!」は事故を目の前で見た生徒の保護者にも話を聞くことができた。

事故を見た生徒の保護者:
亡くなられた生徒さんの洋服に(火が燃え)移って、みんなで飲み物とかをかけて消そうとしてたらしいんですけども、それでも(火が)消えなくて、近くに水とかもなくて、布とかでバサバサと消そうとしたらしいんですね。

そうしたら逆にそれで火が燃え上がって、結局すぐに火を消すことができてないわけですから、はっきり言って見殺し状態だったと言いますか……


学校側は県への報告書を提出している。

(「イット!」6月9日放送分より)