5月24日、福岡県柳川市「ハリウッドワールド美容専門学校」で行われたバーベキューで火災が発生。生徒らの服などに火が燃え移り、やけどを負った18歳の男子生徒が死亡しました。

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学校側によると、今回のバーベキューに参加していたのは、生徒と教師 約500人。
会場には12台のバーベキュー用コンロを設置し、炭と着火剤に加えて、火をつけやすくするため、手の消毒に使うアルコールを、あらかじめかけていたといいます。

バーべーキューを開始してから15分後。1台のコンロの火が消えそうになり、20代の男性教師が、消毒用のアルコールを追加でかけたところ、「ボン」という音を立てて炎が燃え広がり18歳から20歳までの、男子生徒4人の衣服などに燃え移ったといいます。

やけどをした4人は病院に運ばれましたが、治療のため入院していた18歳の男子生徒が6月6日に容体が急変し、亡くなりました。

追加でかけたアルコールは少量だったといいますが、専門家はその危険性を指摘します。

市民防災研究所 坂口孝夫事務局長:
アルコールというのは、非常に引火性の(高い)液体ですから、火を使っている近くでは、絶対に使用しないということなんです。

消毒液を一拭きしただけで、一瞬で燃え広がる炎
消毒液を一拭きしただけで、一瞬で燃え広がる炎

福島県の郡山地方広域消防組合が公開した消毒用エタノールの燃焼実験映像を見ると、火がついた ろうそくに消毒液を“ひと吹き”しただけで、辺り一面に激しい炎が燃え広がるのが分かります。

さらに、坂口事務局長はアルコールが燃えた際、“青白い炎”が発生するため、明るい場所では燃えているのか、燃えていないのか分かりにくく、火がついているのか判別できない事があるといいます。

生徒と教師の親睦を深めるために行われたバーベキューで起きてしまった事故。
学校側によると、アルコールを追加した男性教師も生徒から人気のある人物だったといいます。

今回の事故を受け、ハリウッドワールド美容専門学校の古賀郁学園長は、「めざまし8」の取材に対しこのようにコメントしました。

古賀郁学園長:
本当に亡くなった子に関しては、償いとか、申し訳ないとか そういう言葉では表せないことをしてしまったと思っています。命が、どんなに言ってもかえってこないから、本当に言葉も見つかりません。

また、バーベキューに消毒用アルコールを使用した理由については、「熱中症などを防ぐため、短時間で焼こうとした。アルコールを使ったのは、今回が初めてだった」とコメントしています。

警察は、業務上過失致死傷の疑いで捜査。
学校側は今後、第三者委員会を立ち上げ、保護者らへの説明を行う予定だといいます。

(めざまし8 6月9日放送)