約100年の歴史を持つ暴力団が静岡・富士署で異例の解散式を行った。

張り詰めた空気が漂う静岡・富士署
張り詰めた空気が漂う静岡・富士署
この記事の画像(11枚)

26日、静岡・富士署の空気は張り詰めていた。

解散の決意表明をする暴力団10代目総長
解散の決意表明をする暴力団10代目総長

警察の目の前にいたのは、暴力団の10代目総長だった。その人物が読み上げたのは…。

「最近の社会情勢を考えた結果、私の代をもって解散する決意をしました」

行われていたのは、暴力団の解散式だった。

約100年の歴史の中で、500人の組員を誇ったこともあり、祭りなどでは露店を営んできた。しかし、現在の組員はわずか数人。総長は解散を決意した。

静岡・富士署 楠ヶ谷良巳署長:
今後は良識ある社会人として、健全な社会生活を送ってほしい。

総長は、不正に露店を出す権利を取得した疑いで逮捕されたが、不起訴になった。その後、警察が解散を持ちかけたという。

全国の暴力団組員の数は、年々減少を続けている。

高齢化や排除意識の高まりで組員減少

暴力団組員の数は、どれくらい減ったのだろうか。

警察庁によると、2004年には8万7000人いたが、2022年は約2万2000人と、18年で4分の1になった。

静岡県でも、10年前の半分以下になっていて、静岡県警は組員の高齢化や、社会全体で排除する意識が高まっていることなどが、理由だとみている。

(「イット!」5月29日放送より)