5月31日から名人戦第5局に挑む藤井聡太六冠。会場がある人口約6600人の村は大盛り上がりとなっている。

1日前の表情とは違う“笑顔” 一日駅長に…

電車をバックに決めポーズ。将棋の藤井聡太六冠。

この記事の画像(17枚)

5月29日、岩手県を走る三陸鉄道で“一日駅長”に任命された。

藤井六冠は大の鉄道好きとして知られ、制服を着て帽子をかぶると喜びを我慢できない様子。

満面の笑みを浮かべた29日だったが、まるで違う表情を見せたのが前日の28日、岩手で行われた叡王戦第4局。

勝てば叡王防衛が決まる菅井竜也八段との対局は、同じ局面が繰り返される「千日手」が2回成立する死闘に。2度の差し直しを制し、藤井六冠が叡王3連覇を決めた。

運転体験に「素晴らしい経験ができた」

待っていたのが楽しみにしていた三陸鉄道の訪問。日本将棋連盟から提案され藤井六冠自身の希望もあり実現したという。

実際の車両で社員の指導を受け、運転体験にも挑戦。約70mの距離を往復で運転。

この運転体験は藤井六冠もびっくりだったよう。

藤井六冠:
運転免許も持っていないのにいいのかなと。緊張したけど素晴らしい経験ができたなと思っています。

今回は一日駅長も体験。藤井駅長は岩手・釜石市出身の小山怜央四段と一緒に、出発進行の合図を送った。

藤井六冠:
あさって(5月31日)から名人戦の第5局が続くので、良い状態で臨んで頑張っていきたいと思っています。

今週(5月28日~6月3日)の藤井六冠は大忙し。岩手訪問を終えると、30日は長野に移動。31日からは名人戦第5局に挑み、その後にはベトナムで行われる棋聖戦第一局も控えている。

中でも注目の大一番が31日から始まる名人戦の第5局。渡辺明名人を相手に現在3勝1敗の藤井六冠が勝てば、史上最年少の名人獲得と七冠を達成する。

大一番の舞台会場は“フジイソウ”

「イット!」は、その舞台となる長野県高山村を取材。人口約6600人で8つの温泉が点在する自然豊かなこの村で、会場となるのが「藤井荘」。藤井聡太六冠とのダブル“フジイソウ”が話題になっている。

藤井荘は創業200年以上の歴史があり、かつて文豪・森鴎外や歌人・与謝野晶子などに愛されたことでも知られている。

藤井荘の名物料理は「ぽんぽん鍋」。地元で採れた野菜や山菜をさくっと揚げた特製のオイルフォンデュ。

気になる客室は公式サイトによると、露天風呂が付いた「藤」の客室が1泊2食付きで、12万1000円~。

対局を誘致したのが藤井荘の女将・藤沢晃子さん。亡くなった夫と二人三脚で誘致を続け、念願叶って2021年名人戦が実現。さらに今回偶然にも藤井六冠が訪れることになったという。

対局には村でも期待感が高まっている。

高山村民(80代):
お風呂に入ってみんな言ってたけど、藤井聡太君の頭のなかのコンピューターっていうのはどうなっているんだろうっていう話しでね。

信州高山村観光協会 涌井俊広事務局次長:
藤井聡太は見に行けるのっていう電話は結構ありますね。藤井聡太さまさまで。
 

運命の大一番、名人戦第5局は5月31日から2日間行われる予定。

(「イット!」5月29日放送分より)