福島県では、インフルエンザで学級閉鎖する学校が5月に入ってからも確認されている。県によると1つの定点医療機関の感染者数は3月上旬に「7.71人」とピークに達した。5月24日に発表された調査でも「3.49人」と、季節外れと言えるような流行が続いている。
感染対策も想定外の流行
福島県郡山市の安積高校では5月3週目以降、生徒約20人がインフルエンザに感染。2つのクラスで5月24日までの3日間学級閉鎖の措置がとられた。

安積高校の安部誠教頭は「コロナからずっと感染予防に努めてきたが、それを継続したにも関わらず、この時期にインフルエンザ等がはやるというのは、少し不思議というか想定外のところがありました」と話す。

校内では換気や消毒など感染症対策を継続してきたが、部活動の大会や家庭内で感染が広がったと見られている。
学級閉鎖の判断を早めることで、爆発的な拡大を防いだ安積高校。その一方で2023年は、全国の高校で大規模感染が相次いだ。宮崎県の高校では491人が感染、全校生徒が参加した体育祭が要因と見られている。

免疫力低下や寒暖差が影響
福島県郡山市の「じんキッズクリニック」では、5月の患者数は5月22日の時点で43人と、3月の約4倍に増えていた。
酒井信子副院長は「個人個人の免疫、社会全体でのインフルエンザに対する免疫力が低下したことによる感染の拡大や、色んな事が徐々に通常化しているため人との接触や感染した時の流行の拡大が見られているのでは」と分析する。

加えて、猛烈な暑さになったり、冷え込みが強まったり、最近の寒暖差の影響もあるという。「やはり体の自律神経のバランスなどが乱れがちになり、疲れが出たりすると免疫力が下がる」と酒井副院長は話す。

酒井副院長は「人混みを避ける換気をする、マスクを着けないでも出来る予防を中心に考えて」と呼びかける。
夏も小規模な感染拡大が続くことが懸念されているインフルエンザ。手洗いやうがい、消毒など基本的な対策が必要になる。

(福島テレビ)