「え!猫じゃないの!?」「猫じゃない!猫じゃない!」

この記事の画像(15枚)

5月20日、広島・呉市で撮影された、長い尾をもつ大きな体の茶色い生物。

ネズミのようにも見えます。

京都・宇治市 5月21日撮影
京都・宇治市 5月21日撮影

さらに京都では、この生物が川に潜って水中を悠々と泳ぐ姿が目撃されました。

大阪市住吉区 5月20日撮影
大阪市住吉区 5月20日撮影
愛知・豊田市 5月12日撮影
愛知・豊田市 5月12日撮影

大阪でも、愛知でも目撃が相次いでいる、カピバラにもカワウソにも見える“”謎の生物”の正体は、特定外来生物の「ヌートリア」です。

寒さに弱く、流れの緩やかな河川などに生息するヌートリア。これまで西日本を中心に、多くの農業被害が報告されてきました。

アジア動物医療研究センターのパンク町田センター長によると、かなり凶暴で、閉じ込めたり、無理に捕まえようとすると反撃してくることもあるといいます。

以前、ヌートリアに収穫前の田んぼを荒らされたという人は、当時の被害をこう話します。

田んぼがヌートリアの被害に遭った人:
稲をなぎ倒して、円形の直径3mぐらいのぐるっと丸い巣を作るんですよ。それが1箇所じゃなくて、4箇所、5箇所と。

ヌートリアに稲を倒されてしまい、収穫することができなくなってしまいました。

田んぼに入らないよう柵で対策をしても、ヌートリアたちは畦(水田の間の小さな堤)に穴をあけて自由に出入りしていたといいます。

田んぼがヌートリアの被害に遭った人:
悔しいやら悲しいやら憤りやらありますけど。だからといってヌートリアを退治しようと思っても結局、狩猟の許可がない。カゴをしかけようと思ってもその資格がない、野放し状態ですよ。

今、そんなヌートリアに“新たな懸念”があるといいます。

アジア動物医療研究センター パンク町田センター長:
元々が南米・暖かい国の生き物なので、関東まではなかなか出没しづらかったんですけども、最近の温暖化の影響によって、関東の方まで徐々に徐々に足を伸ばし始めていて。
関東まで足を伸ばすのも、もう秒読み段階じゃないかと思います。

温暖化の影響もあってか、ここ数年、西日本だけでなく静岡県内で生息が確認されるなど、徐々に北上してきているヌートリア。

このような「温暖化による特定外来種の生息拡大」は、他の動物でも起きています。

新潟県では、2018年からアライグマが急増。
農作物への被害を防ぐため、県内からの完全排除を目指す「防除実施計画」を6月中にもまとめる予定だといいます。

(めざまし8 5月24日放送)