家電大手ダイソンの型破りなヘッドホンが日本に上陸した。

この記事の画像(11枚)

高橋玲央奈記者:
こちらのおしゃれなヘッドホン。追加の部品を取り付けることで、空気清浄機能が発動します。

23日から、日本での発売が始まったダイソン発のオーディオ製品となる「Dyson Zone 空気清浄ヘッドホン」は、直販店やウェブサイトで12万1000円(税込み)から購入できる。

都市部の騒音や、大気汚染対策として開発された「Dyson Zone 空気清浄ヘッドホン」。

両耳に搭載された空気清浄機が空気を吸い込み、汚染物質の99%を除去して、きれいな空気を鼻と口に直接届ける。

発売当日の発表会では、創業者のダイソン親子が自ら、日本でプレゼンする力の入れようだ。

ダイソン創業者・ジェームズ・ダイソン氏:
マスクは顔に接触して汗をかくしメイクも崩れる。「Zone」は顔に接触せずマスクより効果的だ。空気汚染や菌から守ってくれるのと同時に、高音質の音楽を楽しめる。

ダイソンは、この商品の開発で得た知見を、更なる新商品の開発に生かしていくとしている。

開発まで“6年”。ダイソンの思いが凝縮

「Live News α」では、一橋ビジネススクール准教授の鈴木智子さんに話を聞いた。

堤 礼実 キャスター:
今回の新製品、どう映っていますか。

一橋ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
これまでダイソンは、吸引力の変わらない掃除機。すぐに乾いて、髪の毛にダメージを与えにくいドライヤーなど、ユーザーが何気なく感じていた暮らしの課題を解決するプロダクトを次々と生み出してきました。

そのダイソンが開発に6年の歳月をかけたのが、今回の空気清浄機能がついたヘッドホンでした。日本に先立ち、本国イギリスで、この製品が発表された際に大きな話題を呼びました。

確かに、その「奇抜さ」に目がいきがちですが、これは出来上がった最終形態ではなく、さらなる改良を加えながら、ダイソンの新たな可能性を追求していくと思われます。

堤 礼実 キャスター:
その新たな可能性とは、具体的には。

一橋ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
一つは、ダイソン初のウェアラブル商品であること。ブランドを愛するファンが、常にダイソンの商品を身に着けることが可能となり、ブランドに対する愛着も高まります。

さらに、二つ目として、ダイソンの環境問題に対する姿勢をアピールする製品であること。地球規模で空気汚染は進行しており、ダイソンはこれに強い危機感を持っています。

身の周りの空気の質が悪化しているのであれば、そこに何らかの解決方法を提示するのが自分たちの使命であると考えたのかもしれません。

「空気をコントロールする」コア技術

堤 礼実 キャスター:
テクノロジーの力で社会問題の解決に乗り出すということですが、これは期待したくなりますよね。

一橋ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
ダイソンの製品ラインナップは、掃除機、扇風機、ドライヤー、そして今回の空気清浄機能がついたヘッドホンと一見すると統一感のないものに感じますが…。

これらはすべて、空気の流れを自在にコントロールするコア技術を活かしたものなのです。

これまでダイソンは、競争力の高いコア技術を起点にしたビジネスを展開して、顧客の「あったらいいな」を形にしてきました。

今後は空気汚染が進む地球にとって、「そうなったらいいな」という変革を起こしてくれるかもしれません。

堤 礼実 キャスター:
今回の新製品の登場が、都市の騒音と大気汚染という二つの課題を見つめ直すきっかけにもなると良いですね。

ここから企業も、そして私たち自身も新たな気づきや課題解決のヒントを得て、次につながっていくといいなと思います。

(「Live News α」5月23日放送分より)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(11枚)