逮捕されたのは夫と長女

桜の下で微笑む、ブラジル人国籍のアイハラ·アルメイダ·ロゼリさん(46)。

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5月3日夜、三重・鈴鹿市で、ロゼリさんが刃物で切り付けられ殺害され、所持品が奪われた強盗殺人事件。23日、事件が急展開をみせた。

事件発生から5日後にFNNのカメラの前で犯人への怒りに声を震わせながら話していた被害者の夫と長女らが、23日に逮捕されたのだ。

強盗殺人の疑いで逮捕された夫のデメルソン容疑者(48)。長女の無職・カオリ容疑者(25)、そして長女の内縁の夫のあわせて3人が逮捕された。

逮捕前「犯人に心当たり」とも

夫のデメルソン容疑者は、逮捕前、取材に対して「悲劇でひどすぎることです。幸せに暮らして欲しかった」と話していた。

また、長女のカオリ容疑者も「母親は母親なのでけっこう悲しい」と話していた。

家族の命を奪われた被害者から一転、強盗殺人の容疑者に。夫のデメルソン容疑者は、以前、犯人に心当たりがあると話していた。取材に対して「できればそれに対して話はしたくないですけね。本当にどうか分からないので···」と答えていたのだ。

アパート階段下に”血だらけ”女性

事件があったのは、5月3日午後9時50分ごろ。鈴鹿市のアパートの共用階段を降りた場所でロゼリさんが血を流して倒れているのが発見された。首や頭などを刃物で複数回切り付けられた状態で、搬送先の病院で死亡が確認された。

ロゼリさんの部屋には鍵がかかっていて、争った形跡もなく、自宅のアパートの外で襲われた可能性があるとみられる。

取材に対して近所の人は、「女の人がキャーと叫ぶ声とドンという音。例えるならドアを勢いよく閉める感じのドンという音がした」などと証言。そして事件後、ロゼリさん名義の所持品が現場から離れた場所で見つかっていた。

事件前に夫婦トラブルも

事件前、夫婦間で起きたトラブルの様子を映した動画には、デメルソン容疑者がアパートで家財道具を放り投げる様子がおさめられていた。

2022年11月に、妻のロゼリさんと口論になり、突然、暴れ出したという。

このトラブルは警察を呼ぶ事態に発展。その後、ロゼリさんは鈴鹿市に引っ越し、殺害現場となったアパートで一人暮らしをしていたという。

逮捕前、長女のカオリ容疑者は、「(私と)お母さんとの間で結構トラブルもあって。母親は母親なので結構悲しい。すっきりもするけど悲しみが大きい。早く解決して犯人を捕まえてほしいです」などとカメラの前で訴えていた。

このトラブルもあり、2人は事件の2日後に警察署に出向き、聞き取りを受けた。そしてその3日後の逮捕前のインタビューでは、2人は「自分たちは何も知らなかった」と主張していた。

長女のカオリ容疑者:
そもそも鈴鹿市でそういう事件があったというのは知ってたけど、母親だとは思わなかったし、そもそも母親がどこに住んでいるかも知らなかったので。同僚の人からメッセージが来て「これあんたのお母さんじゃない?」と。私は何も知らないよと言ったら「じゃあ違うね」と写真を送られた時に名前が載っていて、お母さんだなってそこで知りました。

「SNSで犯人扱い」と反論も

さらに長女のカオリ容疑者は、こんな驚きの主張を繰り広げていた。

長女のカオリ容疑者:
お父さんを疑っている人は、SNSで人殺しと呼び回している。

SNS上で父親のデメルソン容疑者が犯人扱いされていると主張。これについて強い憤りを感じていると話していたのだ。

長女のカオリ容疑者:
お父さんを疑っている人たち1人だけじゃないので。お父さんの経歴や犯罪歴を調べれば“白”なんです。

警察は、夫と長女のほかに、カオリ容疑者の内縁の夫、ハコザキ・ルカス・ハルユキ容疑者(23)を逮捕している。3人の認否は明らかになっていないが、警察は現場付近の防犯カメラから3人を特定したと説明している。

長女のカオリ容疑者は犯人についてこう話していた。

長女のカオリ容疑者:
(お母さんを殺した可能性がある人たちの)思いつく範囲はもう警察の方には提出したし、思いついたらその時点でまた連絡だったり警察署に伝えるつもりでいる。

警察は、犯行時の役割や動機などを追及する方針だ。

(「イット!」5月23日放送より)