畑を歩く親と2頭の子グマを捉えた写真。

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5月22日の午前6時半過ぎ、札幌市西区の住宅街で親子とみられる3頭のヒグマが目撃された。

付近の小学校では、一時児童の登校を見合わせる事態となり、不安が広がっている。

住民:
子供1人で外で遊ばせておくのは、ちょっと怖いなって思うときもあります。
 

一方、こちらは北海道の新冠町で、5月19日に撮影された映像。

運転している男性:
ちょっと待って!

同乗している女性:
え?待って、怖い!

親子とみられる2頭のクマが、バックで逃げる車を追いかけて来る。

クマはいったん、道路脇の茂みに姿を消したが、再び道路に現れ、追いかけてきた。

運転している男性:
マジで後ろから車来たら死ぬし。

同乗している女性
怖い。

その後、クマは茂みの中に入って、見えなくなった。

「あっち行って」の意思表示 繰り返し出没のクマ増加か

なぜクマは車に向かってきたのだろうか。
クマの生態に詳しい専門家は…

酪農学園大学 環境共生学類 佐藤喜和教授:
子グマを守るために、ブラフチャージと言いまして、威嚇するために少し突進するけれども、攻撃するつもりはなくて、「あっち行ってくれ」というような行動をしているところかなと思います。

母グマが攻撃するふりを繰り返すことで、相手にいなくなってほしいという意思表示という。

警察によると、北海道で5月16日までに寄せられたクマの目撃情報は411件に上っていて、過去最多だった去年の同時期より30件以上多いという。
目撃情報が増えている原因について、専門家はこのように指摘する。

酪農学園大学 環境共生学類 佐藤喜和教授:
クマの個体数は増加傾向にありますし、分布が人里周辺にまで拡大してきている。
目撃件数というのは、出没しているクマの頭数ではなくて、1頭のクマが繰り返し現れることで積み上がっていきますので。繰り返し出没する個体が多いために、全体の件数が上がっているようなことかなと思います。

(「イット!」 5月22日放送より)