厚生労働省は、3歳までの子供がいる人がテレワークでも勤務できる仕組みを作ることを、企業の努力義務とする方向で検討している。

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現在は、子供が3歳になるまで、原則1日6時間の短時間勤務も選択できるようにすることが、企業の義務となっている。

しかし今後は、短時間勤務が難しい場合“テレワーク”を可能とする。

育児休業の後も柔軟に働ける環境を整えるのが狙いで、厚労省は、2024年にも育児介護休業法など関連省令の改正を目指す。

在宅勤務が入園の妨げに…対策必須

「Live News α」では、キャスター取締役CROの石倉秀明さんに話を聞いた。

堤 礼実 キャスター:
子どもが3歳までは在宅勤務に、ということですが、どうご覧になりますか。

キャスター取締役CRO・石倉秀明さん:
少しでも、育児の時間を確保をすることを奨励するのは良いことだと思う。

子育てのために、労働時間を短くすると、収入面できついという家庭も多いはず。なので、通勤時間のない在宅勤務で、仕事もしながら育児の時間も取りやすくするのは一つの手。

実際に、私の会社でも子育て中の社員が多いが、リモートワークじゃなかったら、フルタイムで働けていないという意見が大半。

日本の人事制度だと、時短勤務だと給与が削減されたり、希望の仕事につきにくかったりするので、フルタイムで働けるようにする施策は必要。

堤 礼実 キャスター:
おっしゃるように課題もあると思うのですが、これについてはいかがですか。

キャスター取締役CRO・石倉秀明さん:
例えば、この制度を使うのが女性ばかりだったら、結局、女性が家事も育児も仕事も、となってしまう。

私の会社に応募してくる方の9割は女性なので、在宅勤務=女性、のイメージがまだ強かったり、男性も無意識にバイアスがあるのだと思う。

だからこそ、男性が在宅で働くことをどう増やすのかは課題。また、在宅勤務だからといって、家に小さい子供がいたら仕事にならないのは、コロナ禍で多くの人が経験したはず。

在宅勤務だけど保育園に預けられる、あるいは保育園に入る妨げにならいようにすべき。

さらには飲食業などのサービス業や、エッセンシャルワーカーの人たちの子育て環境を、いかに良くしていくかという対策はもっともっと出てきてほしい。

政策の質と数、両方が必要

堤 礼実 キャスター:
仕事と子育ての両立のハードルが下がるように、さまざまな支援のかたちがあるといいですね。

キャスター取締役CRO・石倉秀明さん:
いっそのこと、小学生が終了するくらいまで、在宅勤務でもいいのではないか。小学生になったほうが、帰ってくる時間は早いので、そういう時こそ在宅の方が良かったりする。

ただ、1つの政策で、すべてクリアできることではない。特定の人や課題に対して解決策を出す。それをあらゆる課題に対して行うという、政策の質と数、両方が必要。

また、私たちも一方的に批判するのではなく、評価するものはする、それで足りないところは声を上げる、など、建設的な態度が重要なのだと思う。

堤 礼実 キャスター:
家庭によって事情はそれぞれ異なりますが、親子で過ごす時間はかけがえのないものですよね。

今回は努力義務ということですが、国がこういった方針を示すことで、必要な時に、必要な選択ができる、そんな環境を増やしていくための、第一歩となると良いなと思います。

(「Live News α」5月18日放送分より)

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