15日、皇室にゆかりの深い京都市の「大聖寺」を訪れた、上皇ご夫妻。

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上皇さまの腕には、上皇后・美智子さまの手が添えられていました。

仲睦まじいご様子のお二人。

階段を登る際も、上皇さまの左腕を支えるようにして、手を添えられる美智子さま。

美智子さまが一瞬バランスを崩され、よろけてしまった際には、上皇さまがさっと手を差し伸べて、今度は上皇さまが美智子さまを支えます。

階段を登られる際、少しバランスを崩してしまった美智子さま
階段を登られる際、少しバランスを崩してしまった美智子さま
美智子さまにそっとお手を添えて支える上皇さま
美智子さまにそっとお手を添えて支える上皇さま

橋本寿史解説委員:
いつもお二人手を組まれていまして、上皇さまが上皇后さまを支えているようであり、お二人で支え合われている。そういったお姿をずっと拝見しています。

コロナ禍で外出を控えられていた上皇ご夫妻。私的な旅行で地方を訪問されるのは約4年ぶりとなります。

お二人がご覧になったのは、明治天皇の妃・昭憲皇太后が約130年前に着用されたドレス「大礼服」です。

現在の女性皇族の正装といえば「中礼服」である「ローブ・デコルテ」が知られていますが、戦前には「大礼服」のような「マント・ド・クール」が正装として採用されていました。

5年に及ぶ修復作業を終えたばかりの「大礼服」。
実はこの修復には、美智子さまの“強い思い”があったといいます。

きっかけとなったのは、1994年。
当時、天皇皇后両陛下としてアメリカを訪問された際、美智子さまは文化財保護を行っていたコロンビア大学のバーバラ・ルーシュ名誉教授と親交をもたれました。

この親交をきっかけに、美智子さまは文化財の保護への活動を大変熱心に取り組まれ、2018年、ルーシュさんが名誉所長を務める「中世日本研究所」などによる「大礼服」の修復を行う一大プロジェクトを支援されていくのです。

修復後初めて「大礼服」をご覧になった美智子さま。

修復にあたられた方々に、「大変なお仕事をなさいましたね」とねぎらいの言葉をおかけになったそうです。

橋本寿史解説委員:
皇室はやはり伝統文化を大切にされてきたところでもあるわけです。鵜飼いですとか、雅楽、蹴鞠(けまり)みたいなものを皇室の中で、伝統文化として大切にしてこられました。その中のひとつで明治時代から始まった「ご養蚕」というものがございます。一時期廃れそうになった蚕の「小石丸」というものを美智子さまが大切に育てていきましょうと。そして今も、雅子さまがその「小石丸」を育てられているのです。

美智子さまから雅子さまへ受け継がれる意思…。
さらに、「文化を大切にする心」は、その先の未来にもつながっているといいます。

橋本寿史解説委員:
この小石丸の糸というのが細いこともあって、文化財の修復にも使われるようになると、色々なことに広がっていくことになるわけです。

(めざまし8 5月16日放送より)