5月14日から4泊5日の日程で、京都と奈良を訪問されている上皇ご夫妻。
ご夫妻が、私的な旅行で地方を訪問されるのは約4年ぶりで、コロナ禍以降では初めてとなる。

約4年ぶり 上皇ご夫妻の私的旅行

5月14日午前11時頃、ご夫妻は東京駅で見送りの駅長などに笑顔で挨拶し、お二人寄り添って、新幹線の臨時専用列車に乗り込まれた。

駅長に挨拶される上皇ご夫妻
駅長に挨拶される上皇ご夫妻
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臨時専用列車に乗り込まれる
臨時専用列車に乗り込まれる

そして午後、京都駅に到着されたご夫妻は手をつなぎ、出迎えた700人以上の歓声に、にこやかに手を振り、会釈をされた。

京都駅で出迎える人たち
京都駅で出迎える人たち
にこやかに手を振るご夫妻
にこやかに手を振るご夫妻

4泊5日のご旅行の日程を見てみる。

14日に京都にご到着され、15日午前中に京都の三大祭りの1つ「葵祭」をご覧になる予定だったが、残念ながら雨のため16日に順延となった。そして、皇室にゆかりの深い「大聖寺」訪問された。

修復された“最高位のロングドレス”を鑑賞

沿道に多くの人が集まる中、午後2時過ぎ、京都市内にある「大聖寺」に到着された上皇ご夫妻。

紺色の装いで上皇さまの腕に手を添えられ、階段をゆっくりと登られる美智子さま。

上皇后さまがバランスを少し崩すも、上皇さまが支える
上皇后さまがバランスを少し崩すも、上皇さまが支える

途中、少しバランスを崩されるが、上皇さまがしっかりと支えられていた。

ご夫妻が訪問された「大聖寺」は、今から600年前の1382年に創建された。歴代天皇の娘の皇女が出家して住職を務めた尼寺で、ここには皇室ゆかりの品々が多数所蔵されている。

宮司愛海アナウンサー:
今回、ここで上皇ご夫妻が鑑賞されましたのが、明治天皇の后だった昭憲皇太后が宮中行事で着用した最高位のロングドレス“大礼服”です。

“大礼服”は胴体の部分と「トレーン」と呼ばれる引き裾が分かれた状態で置かれている。

白い絹には、バラの花や葉の紋様といった、豪華で立体的な刺繍が施されている。

宮司愛海アナウンサー:
本当に美しいこの“大礼服”なんですが、2018年から修復作業が始まりまして、5年間の修復を終えて、保管されています。ご夫妻がこの大礼服の修復への支援を続けてきたということで、今回修復を終えた姿をご覧いただきたいという思いを受けて、訪問されることになったということなんです。

国民もホッとした コロナの状況を踏まえた旅行

コロナが5類に引き下げられたということも、ご夫妻のご旅行に関係しているのか?

皇室担当の宮崎千歳記者によると、5類になったからではなく、感染状況を踏まえ、縁のある場所に足を運ばれるように側近の方が計画したという。

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
新型コロナの感染っていうのは、今回のご旅行を考える上でも、やはり何がしか慎重に検討して判断されたものだということは、容易に想像がつきます。皇族の方々の行動というのは、我々国民にとっても行動の1つの判断材料になる部分でもありますからね。そういった意味でも、今回、上皇ご夫妻がご旅行に行かれたというのは、我々国民にとってもホッとできるという側面が強いと思いますね。

上皇ご夫妻は、16日は雨天のため順延になった「葵祭」を観覧し、奈良県へ移動されるという。

(「イット!」5月15日放送分より)