新型コロナウイルスの5類移行に伴い、子供を取り巻く環境も変わっていく。教育現場では、変化への対応が迫られる一方で、コロナ禍で得たものを続けていこうという動きもある。

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教育現場では何が変わる?

運動会で披露するソーラン節の練習をする児童たち
運動会で披露するソーラン節の練習をする児童たち

宮城県仙台市の西中田小学校。この日、6年生がソーラン節の練習をしていた。

6年生の児童:
いつも通りの運動会はうれしいです。やっぱり久しぶりの形なので、全力でソーラン節踊りたいと思います。

運動会のシーズンを迎えようとしている宮城県内の小学校。この学校では2023年、4年ぶりに例年通りの規模で運動会を開催する予定だ。

仙台市立西中田小学校 駒沢健二校長
仙台市立西中田小学校 駒沢健二校長

西中田小学校 駒沢健二 校長:
地域の方や、保護者にも全学年の演技を見てもらえるのは、子供たちにとっても大きな励みになるし、やりがいにもつながると思うので、今までとはかなり違うものになるのかなと思います。

新型コロナウイルスが季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられることによって、大きく変わるのは「出席停止の期間」だ。文部科学省は療養期間に合わせ、これまで「発症翌日から7日間」の出席停止を求めていたが、5月8日以降、「発症翌日から5日間」に変わる

西中田小学校 駒沢健二 校長:
感染者がゼロになったわけではないので、引き締めて対応していかなければならないと思う。

戻りつつある日常

ひと足早く、水遊びを楽しむ子供たち。幼稚園の行事もコロナ禍前の姿を取り戻しつつある。

給食の時間も変わった。2022年までは見られなかった、先生が一緒に食卓を囲む姿も。
4月からの対応だという。

給食時間にもコロナ禍前の日常が
給食時間にもコロナ禍前の日常が

幼稚園生活のほとんどをコロナ禍で過ごした子供たちは、感染対策の影響を常に受けてきたといっても過言ではない。

この幼稚園では、子供たちの活動は徐々に戻していくものの、通園バスやおもちゃの消毒など、感染拡大を防ぐ対策は続けていくことにしている。

コロナ禍での変化をプラスに

一方、コロナ禍での変化が前向きに作用している部分も少なくない。

名取市にある児童館。放課後に集まってきた子供たちが、脇目も振らず向かったのは、近くの山。

名取市那智が丘児童センター 斉藤寿一郎 館長:
この園庭を使った運動や砂遊びなどはあったが、山の方などの活動はなかったので、コロナ以降にできたと思っている。

名取市那智が丘児童センター 斉藤寿一郎館長
名取市那智が丘児童センター 斉藤寿一郎館長

野外活動に木工作業…コロナ禍前はなかった遊びが増え、子供たちが体験する世界はむしろ広がったという。この児童館では5類移行後も従来の形に「戻す」のではなく、「プラスする」発想で取り組んでいきたいと考えている。

名取市那智が丘児童センター 斉藤寿一郎 館長:
コロナがなければやらなかったことではないのかもしれないが、コロナの中でもできることは、普段でもできる。これから規制がなくなっていく、軽くなっていく中で、もっと子供たちがいろいろな体験をできるようなことを一緒に考えていけるんじゃないかな。

コロナ禍で大きく変わった教育の現場。専門家は変化を肯定的に捉える視点が重要と指摘する。

仙台白百合女子大学人間学部子ども教育学科 三浦主博 教授:
コロナで変わったのは、どちらかというと子供より大人。必然的に変わらざるをえなかったことで、何か新しい世界が広がったこともある。せっかくだから生かしつつ、コロナ前の時のよかったところも取り入れやっていくと良いのではないか。

5類移行で変わる私たちの生活。子供たちの笑顔がさらに増えるよう、大人の知恵が求められている。

(仙台放送)

仙台放送
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