兵庫・明石市では、泉房穂市長さんの次の市長を決める選挙が23日行われ、泉さんが後継指名した候補が当選した。泉さんにスタジオにお越し頂き、選挙の結果だけでなく、国の子育て政策やご自身の今後について気になることを伺った。

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4月23日の明石市長選では、泉市長が後継指名した丸谷聡子さんが、林さんに倍以上の差で当選。また明石市の市議会議員選挙でも、「明石市民の会」の候補者5人全員が当選した。今回の圧勝についてどう感じているのか?

明石市長・泉房穂さん:
やはり市民の力ですね。この12年で明石はすごく良くなりました。市民自身が自信を持ったと言いますか、町に誇りを持ったのだと思います。明石は人口も10年連続で増えている。経済も好調ですから、明石市民としては12年前の状況に戻そうとは思わないでしょうからそういう意味ではある意味で市民が選んだ結果だと思います

明石市長・泉房穂さん:
私がこの12年間で何をしたか…と言うと簡単なんです。預かっている税金をどこに使っているかです。政治家のためではなく、市民のために使うようにしました。具体的に言うと、私が市長になってから、明石市の子供予算は2倍以上に増やしました。お金を市民に使うようにしたんです。それをすれば市民は暮らしやすくなるから、その街に移り住むのは当たり前なんです。少子化対策は簡単なんです、子どもにお金を使えばいいだけなので

泉さんが力を入れて来られた「子育て政策」、18歳までの医療費、中学校の給食費、第2子以降の保育料、0歳児のおむつ、遊び場の利用料、明石市ではこれらが、所得制限ナシで無料となっている。

これらは明石市だからできるのか?それとも国でもできるのか?この点について泉さんは「少子化対策の財源を社会保険料から捻出とのことだが、発想が間違っている。明石市で実現できて国でできないはずがない」とツイートしている。

明石市長・泉房穂さん:
明石市だけではなく、どこでもできますよ、簡単!こんなものたかが知れています。子供予算に使われる額は明石市で年間約34億円。一方で明石市の年間予算はだいたい一年で2,000億円くらいなんですが、そうすると全体の1.7%にすぎません。どこの自治体でもできます、全国にどんどん(明石市のような取り組みが)広がっています

ーー社会保険料から捻出しない」として、国民の負担を掛けないというのは?

明石市長・泉房穂さん:
無駄ばかりですよ、国も県も市もびっくりするくらい無駄な予算の使い方をしている。いや無駄というと言葉は悪いですが。時代が変わっているので、お金の使いみちを変えればいい。時代に即してお金をやりくりをすればいいんです

関西テレビ 神崎博デスク:
明石が子育てに重点をおいて、子育て世帯がどんどん明石市に入ってきている。そもそも子どもを産んで育てようという人たちが、明石市の周りの自治体から条件の良い明石市に移り住んできているだけ。もっと条件を良くしたら、さらにその周辺から移り住んでくるだけ。要は日本のなかでパイの奪い合いをしているだけで、そもそもの少子化対策にはならないのではないでしょうか?

明石市長・泉房穂さん:
だから国がやるべきなんですよ、こんな政策を市がやるのは間違っています。国がしないから、やむなく明石市がやっているんです。こういうセーフティネットは、本当は国がやって、各自治体はもっと寄り添う政策、例えば”ひとり親家庭の支援”や”虐待予防”とか丁寧なことをすべき。ちょっと予算を回したら来年からできます

財源が、社会保険料でもないとすると…

明石市長・泉房穂さん:
国は税金を取っていますよね。日本の国民負担率はすでに40%台後半で、世界と比べても普通。負担が決して少ない国ではなく、ちゃんと負担しています。他の国ができているのに、日本だけができないというのは、お金の使い方が間違っているだけです。それを正せば国民負担を増やす必要はありません、当然できます、ホンマにできます、それをするのが政治家です。官僚に任せるからアカン!

こういう話も、泉市長はされた。24日、明石市役所で「12年間かなり疲れた。今月末で”市民の会”も解散する」こう話された。

明石市長・泉房穂さん:
市長として12年間走ってきて、いわば駅伝の中間走者として、自分が与えられた距離を全力で走ってきて、次の人にたすきをつないで倒れるこむので、今はラストスパート。次の丸谷新市長に任せたら明石市は大丈夫。あとは5月以降に考えます

2022年11月の段階では、今後について「政治には関わりたい。私が知事になった方が、兵庫県民は、幸せだったと思う」と話していた。

明石市長・泉房穂さん:
こんなことを言うからたたかれるんだよな(笑)12年間市長を頑張ってきたので休ませてください

泉市長は24日、4月末で(2022年11月に立ち上げた)「明石市民の会」も解散すると言っていたが…

明石市長・泉房穂さん:
多くの市民から「私が市長を辞めた後の明石市が心配」という声を頂きました。私の最後の責任は、私が市長を辞めた後も、私がやる以上の良い明石を残すこと。そのために「明石市民の会」を作って、私よりも良い人に市長になってもらって、ただ(その市長には)仲間がいたほうがいいし、市会議員についても擁立した5人の候補は全員当選させてもらった。私が市長を続けるよりむしろ明石は良くなる…、そういうカタチで終わりたい

Q.今後、アドバイザーみたいな役割はお考えですか?

明石市長・泉房穂さん:
政治というものは、市民に選ばれた者が全責任を負って権限行使をすべきもの。選挙に出ていない者が横からモノを言うべきではないんです。だから私は終わったら、きれいに完全に退きます。単なる一市民として応援します。そこはちゃんとしないと…。日本の政治が、本来の姿ではカタチで、色んな所で影響を受けて動いているけれどもそれが間違い。市民に公約を言って市民から選ばれてそれを果たしていく、本来の姿に戻す必要がある、自分はそれをしたい

Q.ちょっと距離を取るということですか…?

明石市長・泉房穂さん:
ちょっとではありません、完全に終わります!明石市役所には行かないです。市長はしんどいですよ。市長に就任した一年目から、子ども予算にお金を振り向けるために、無駄と思われる公共事業について予算を減らしたんです。そしたら自宅ポストに「殺すぞ」と投函(とうかん)があって、最近も殺害予告があって、12年間「殺す、殺す」と言われ続けてきて、さすがにしんどかったですね

視聴者の皆さまからはLINEでこんな質問がきている。

ーー今後、国会議員や県知事選挙に立候補する予定はありますか?

明石市長・泉房穂さん:
政治には関わろうと思っています。応援する側にまわりたいです。もっといろんな人が頑張れば、もっと広がりが出ます。そういう意味では明石だけが頑張る…ではなく、明石くらいのことはどこの自治体でもできるはずだから、できる市長を応援して、次々とそういう人を誕生させたいと思っています

さて、今回の選挙では、泉さんの動きと共に維新の躍進ぶりも注目された。その維新の共同代表の吉村さんに、泉さんについてどう思うか聞いてみた。

日本維新の会 吉村洋文共同代表:
明石市において泉市長がやってこられたこと。ここが明石市民の皆さんに評価をされて、その実績の積み上げが「自公の政治よりもこちらで行くべきだ」という支持を得たのだと思います

日本維新の会 吉村洋文共同代表:
また、政策の中身も 非常に維新と似ているところはあります。次世代に投資していこうというのは、非常に似ているところもある

ーー似ているという意味で脅威に感じる部分はある?

日本維新の会 吉村洋文共同代表:
特にはないですね、だって一番の脅威なのは自民党の政治がずっと続くこと。日本にとっての脅威は。僕はそう思っています

吉村さんは政策の中身が似ていると話しているので、泉さんと連携はないのか?

明石市長・泉房穂さん:
維新もそうですけど、共通項はあります。政治は結果ですから、いい訳せずに大阪で結果を積んでいる。大阪が昔よりも住みやすくなったという人が多いと思うんですよ。明石も同じです、政治家は結果を出すことですよ。そういう意味では維新は一定の結果を出してきた部分は評価されているということだと思います。”検討が政治家の仕事ではなく、”決断”するのが政治家の役割。維新の皆さん、明石市をまねしていただいてありがとう、という感じですね

もうひとつ視聴者の方から質問が届いている。

ーー自民党に対抗する政党を立ち上げる予定はありますか?

明石市長・泉房穂さん:
そんな大それたことは(笑)。ただ、自民党の中にも、新しい政治を、例えば子どもを大事にしようとかそういう考えを持った人もいる。ただ、残念なのは古い政治家が力を持ってきている。時代の転換期ですから、自民党の中でも若い方が党を飛び出してもっと元気な政治が出てきたらと思う、まぁ私は元気過ぎていかんのですけどね

ーー党を立ち上げることについて否定はしていないですよね?

明石市長・泉房穂さん:
今は明石市長としてのラストスパートですから、精いっぱい、明石の街と市民のためにやるのが明石市長ですから。先のことは終わってから考えたいです

(関西テレビ「newsランナー」4月24日放送)

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