武力衝突が起き、内戦状態にあるスーダン。首都ハルツームでは、軍と民兵組織の激しい戦闘が続いています。邦人の退避を政府が表明しましたが、どの国もスーダンに入ることすらできていないといいます。
「めざまし8」はフジテレビ・風間解説委員に話を聞きました。

衝突激化で空港破壊も…航空自衛隊の輸送機派遣へ

黒煙があがるスーダンの首都ハルツームにある空港
黒煙があがるスーダンの首都ハルツームにある空港
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現在、大使館員やNGO関係者など、日本人約60人がスーダンに滞在。
こうした人たちを避難させるため、浜田防衛相が自衛隊に対し、輸送機の派遣などを命じましたが、国際空港の設備が破壊されたとの情報もあり、欧米各国も現地在住の人を退避させることができていない状態です。

こうした中、航空自衛隊の輸送機が向かうのは、スーダンの東に位置するジブチ共和国。もともと、海賊の対処などにあたる自衛隊の拠点がある場所です。

吉田圭秀 統合幕僚長:
(ジブチに行く)統合任務部隊については、約370人で編成したが、それは航空自衛隊の部隊と陸上自衛隊の部隊からなっています。

防衛省は、情報収集や関係国との連絡などのため、先遣隊として、4月20日、5人をジブチに向けて派遣しました。多くの民間人も犠牲になるなど、収まる気配のないスーダンでの武力衝突。

WHOによると、これまでにスーダンでは、少なくとも270人が死亡、2600人以上が負傷したと発表しています。果たして、邦人退避は無事に行えるのでしょうか?

風間解説委員「陸路の脱出はなかなか厳しい」

フジテレビの風間解説委員は…

風間晋 フジテレビ解説委員
風間晋 フジテレビ解説委員

風間晋 フジテレビ解説委員:
とにかく今は危険すぎるということがあるんですけども、各国がスーダン国内に入るときは救出するために入るわけで、救出できるという見込みがないと入れないし入らないことなんだと思います。
陸路と空路という問題もありますが、陸路の場合は、そこそこ距離があるわけです。63人を何台かの車に分けて走らせる。その間も護衛しなくてはいけない。というようなことを考えると、陸路の脱出はなかなか厳しいものがあると思われます。
あともうひとつ言われているのは、首都の国際空港というのは、かなり壊されていて、使い物にならないんじゃないかっていうのは、目で見ても分かるんですけど、一方で首都の北方20㎞あまり行ったところに、政府の空軍基地があると。
その空軍基地から、実は今週エジプト軍機が離陸しているという情報があるんですね。
だから空軍基地の方は、もしかしたら国軍がとにかく全力で確保をしている可能性が考えられるので、だからまだ使える可能性が考えられるので、やはりそういうところを使わせてもらう。

でも現実問題として日本は単独で話をまとめる力はありません。
やはりそこは、アメリカだったり、ヨーロッパの国々がまとまって交渉したりとか、日本はその交渉に乗っからせてもらうということだと思うんですよね。
でもそのためには、やはり交渉の過程で日本もいなきゃいけない、いまどういうことになっているという情報をもらいながら、どうするっていう作戦を考えなきゃいけない。
そのためには、ジブチが今各国の集まっている場所ですから、ジブチにとにかく、自衛隊も早く入って、そういう話し合いとか、情報の中に自分たちもいなきゃいけないというのが今の現状だと思います。

(めざまし8 4月21日放送)