4年ぶりの通常規模での開催が約1カ月後に迫った、仙台初夏の風物詩「仙台・青葉まつり」。新緑あふれる仙台の街を盛り上げようと関係者たちは入念な準備をしながら、その日を待ちわびている。

「伊達の粋を競う」青葉まつりまで1カ月

西ノ入菜月アナウンサー:
こちらが山鉾ですか?こうやって並んでいるんですね。

仙台・青葉まつり協賛会 石黒大 副実行委員長:
今年のために、皆さんに喜んでいただけるように準備を整えていた。

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「仙台・青葉まつり」の象徴、山鉾。2020年から2年連続でまつりが中止となり、2022年は1基だけが街を巡行した。ほとんどの山鉾は仙台市若林区の倉庫で管理されている。2022年3月の地震で破損したものもあったが、修理を施し、点検や掃除を欠かしていないという。

仙台・青葉まつりの様子(2017年)
仙台・青葉まつりの様子(2017年)

仙台・青葉まつり協賛会 石黒大 副実行委員長:
たくさんの方に関わってもらって、その日を迎えるというんでしょうか。コロナで休んでいるからではなくて、日々いろいろな方に関わってもらいながらやっている。

仙台・青葉まつり協賛会 石黒大 副実行委員長
仙台・青葉まつり協賛会 石黒大 副実行委員長

杜の都・仙台に初夏の訪れを告げる「仙台・青葉まつり」。新型コロナウイルスの影響で中止や規模縮小が続いていたが、2023年4年ぶりに通常規模で開催されることが決まった。

街の人は「お祭りをやっている時はすごくにぎやかで、街を歩くのがすごく楽しくなる。祭りが復活して良かった」「これから経済的な発展にもなると思う。良かったんじゃないかな」「観光客の方とか、特に外国の方が、また戻ってきてくれればいい」と話した。

コロナ禍前のスタイルに 高まる期待

市民も心待ちにしている、青葉まつり。2022年から大きく変わる点は2つ。まず1つ目が、青葉まつりの目玉の一つ。豪華絢爛な山鉾などによる時代絵巻巡行だ。今年は東二番丁通と定禅寺通り、どちらも巡る従来のルートに戻すとのことで、この青々としたケヤキ並木にもにぎわいが戻ってきます。

仙台・青葉まつりの時代絵巻巡行(2017年)
仙台・青葉まつりの時代絵巻巡行(2017年)

3年ぶりに縮小開催となった2022年。山鉾は定禅寺通を1基のみが巡行した。2023年は倉庫で保管されていた9基を加え、10基でコロナ禍前と同じルートを巡る。

「山鉾」が通るルート コロナ禍前と同じ道を通る
「山鉾」が通るルート コロナ禍前と同じ道を通る

そして、2023年に戻ってくる祭りの象徴がもう一つがある。それが…。

西ノ入菜月アナウンサー:
祭りに花を添え、会場が大いに盛り上がるすずめ踊りです。こちらも4年ぶりに通常規模に戻るとのことで、1カ月後の本番に向けて皆さん念入りに練習をしています。

1603年(慶長8)、仙台城新築移転の儀式の宴席で、泉州・堺(現在の大阪府堺市)から釆ていた石工たちが、即興で披露した踊りに由来を持つとされる仙台のすずめ踊り。跳ねるような躍動感が特徴で、コロナ禍前の青葉まつりでは、多くの踊り手たちが、新緑あふれる仙台の街を華やかに彩った。

3年ぶりに祭復活となった2022年は、1団体につき、踊り手とおはやし演奏者、合わせて30人までというルールがあったが、2023年は人数制限が撤廃されていた。

仙台すずめ踊りの団体「祭連」の中で、最も長い歴史を持つ「仙臺雀踊壹番組」で会長を務める斉藤さんは、この時を心待ちにしていたという。

仙臺雀踊壹番組 斉藤拓幸 会長:
もう楽しみでしかない。今年はできるだけ見ている人たちを楽しませるような、そんな踊りにしたい。

仙臺雀踊壹番組 斉藤拓幸 会長
仙臺雀踊壹番組 斉藤拓幸 会長

この団体は、2022年もまつりに参加したが、医療や介護従事者、教育関係者などのメンバーは参加を自粛した人が多かったという。

1カ月後の本番に向けて練習に励む仙臺雀踊壹番組のメンバー
1カ月後の本番に向けて練習に励む仙臺雀踊壹番組のメンバー

それでも、この3年間、自宅で動画を見ながら練習するなど、オンラインで交流を続けた結果、メンバーは誰ひとり欠けることなく、むしろ増えたという。中には4年ぶりに活動を再開した仲間の姿もあった。

参加者の一人は、「久しぶりにやるので少し緊張しているところもあるが、今までできていなかった分を発揮して全力で楽しんでやっていきたい。」と笑顔で語ってくれた。

1カ月後、5月20日(土)、21日(日)、4年ぶりに通常開催される仙台・青葉まつり。それぞれの3年分の思いを込めて、新緑に包まれた仙台の街を盛り上げる。

(仙台放送)

仙台放送
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