国会審議のネット中継にも手話通訳導入を検討

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国会のバリアフリー化が加速している。昨年の参議院選挙において重い身体障害を抱えるれいわ新選組の舩後靖彦議員や木村英子議員が当選し、また国民民主党の横沢高徳議員も車いすでの議員活動に励む中、こうした議員へのサポートは急務とされてきた。

バリアフリー推進化プロジェクトチーム・9日

参院議院運営委員会のメンバーで作る「バリアフリー推進化プロジェクトチーム(PT)」はこれまでに、車いすのまま席に着くことができるよう議席の改修を行い、木村・舩後両議員の介助サービスの費用も当面の間参議院が負担することを決定した。またこの3議員に福祉車両を導入することを決定し、すでに利用を開始している。

そして今回検討を開始したのが、耳の不自由な人にも国会審議を理解してもらうべく、参議院の本会議や委員会などのインターネット中継に手話通訳を導入することだ。

バリアフリー推進化PTのメンバーは6月9日、手話通訳の導入に際し、映像を合成表示するために手話通訳者を撮影するブースの設置などの課題の協議を開始した。具体的には本会議場での首相の施政方針演説や所信表明演説での使用などを検討している。

関係者によると前々から参議院のインターネット審議中継に手話通訳を付す案はあったが、新型コロナウイルス感染症への対応が急務であったため、タイミングを探っていた。そして、聴覚障害者がネットのテレビ電話による手話通訳を通じて電話を利用できる「電話リレーサービス」を公的に制度化する法律が5日に成立したタイミングで、検討が開始された。

自治体の会見などでも導入されている手話通訳

今井絵理子議員の要望も

今井絵理子参院議員

さらに、この案は聴覚障害がある息子を持つ今井絵理子参院議員からも、同じ麻生派に所属しPTの座長を務めている大家敏志参院議員に検討の要望があったという。今井議員はフジテレビの取材に「国政における情報保障は聴覚障害者の念願で、このたび来年度の配置にむけて議論が進められたことは大変喜ばしいことであり、世界一開かれた参議院にむけて一層邁進していきたい」と今後の議論を推進していく考えを示した。

挨拶する大家敏志座長・6月9日

そしてPTの大家座長は「国会情勢が緊迫するような場面においても、与野党一致でご努力をいただき、成果を収めてきたことに対し、先生方に心から感謝を申し上げたい」と語り、今回共同座長案を各党に示した。来年の通常国会からの導入に向け、今後検討される方針だ。

やるべきバリアフリー化はまだ多い。参議院の本会議場や多目的トイレの整備などには9億5000万円の予算が付き、この通常国会終了後工事を開始し、年度内に完成する見込みだ。

桜を見る会の問題などで与野党が対決姿勢を強める中でも、与野党の議院運営委員会の理事たちは「それはそれ、これはこれ」としてバリアフリー化の議論を進めてきた。政局の波にのまれることなく様々な整備が進むことを期待したい。

(フジテレビ政治部)