コンビニやスーパー、自動販売機などさまざまな場所で見かけるミネラルウォーター「サントリー天然水」。購入したことがある人も多いことだろう。

そんな「サントリー天然水」を、Twitterユーザーの「ゐっつー・弐千円札」さん(@2Kcib)は横浜で友人と、同じ自動販売機から続けて2本を購入した。そこで“奇跡的”な出来事に遭遇したという。

左:南アルプス 右:北アルプス
左:南アルプス 右:北アルプス
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自販機で同じ水買ったら北アルプスと南アルプスで分かれたんだけど?!?!
すごくね?!?!
奇跡!!!!!

このようなコメントと共に投稿された1枚の画像には、購入した2本の「サントリー天然水」が映っている。一見すると、ペットボトルの形や色、中身の透明な水も同じで、違いがないように見える。

ラベル部分アップ
ラベル部分アップ

しかし、ラベルの中心に書かれた「天然水」の文字の下の、水源の表記が「北アルプス」と「南アルプス」と異なっているではないか。さらに、ラベルをよく見てみると、背景に雄大に描かれた山の形や、鮮やかな黄色の花も種類が違っているようだ。

1台の自販機で同じものを購入したら、ラベルが異なる2種類の「天然水」を手にしたという投稿に、Twitterユーザーからは「そもそも2種類あるの初めて知った」「そこ違いあったんですね 知らなかったです笑」といった、驚きの声が多く寄せられ、2万8000のいいねがつく話題となっている(4月12日時点)。

水源は4種類 ラベルだけでなく硬度も違う

リプライの中には「南アルプス」の他にも「奥大山」といった表記の物もあるという声も寄せられていた。実際のところ水源の異なる天然水は何種類あり、何か違いはあるのだろうか?

サントリー食品インターナショナル株式会社の天然水ブランド担当・佐藤匡課長に、話を聞いてみた。


ーー現在、何種類を展開している?

現在、4つの水源がございます。稼働・出荷開始年は以下の通りです。

1991年 南アルプス(山梨県 北杜市白州町)
2003年 阿蘇(熊本県 上益城郡嘉島町)
2008年 奥大山(鳥取県 日野郡江府町)
2021年 北アルプス(長野県 大町市)

ラベルにデザインされた「水源名」「山なみ」「植物」「鳥」などが、各水源ごとの固有のデザインとなっています。

ラベルも水源によって、デザインが異なっている
ラベルも水源によって、デザインが異なっている

ーーどんな経緯・理由で水源表記が異なっているの?

2020年11月から「南アルプスの天然水」「阿蘇の天然水」「奥大山の天然水」という3つの商品を、「サントリー天然水」という1つの商品に統一しましたが、それぞれの水源を明記する形に変更したためです。

統一することにした経緯としましては、ミネラルウォーター市場は大きく伸長しています。そのため、サントリー天然水は「総供給量不足」「エリアごとの供給格差」の2点の課題を解決すべく、さらなる安定供給を目指して名称(バーコード)を統一することにしました。過去であれば、水源ごとに商品登録が必要だったものが不要になるなどの点は、これまでに比べスムースな供給に寄与すると考えています。

それぞれ硬度が異なっている
それぞれ硬度が異なっている

ーー水源によって違いはあるの?

「サントリー天然水」は水源によらず、すっきりとしていて飲みやすいナチュラルミネラルウォーターです。ただ硬度は、南アルプス・阿蘇・奥大山・北アルプスでそれぞれ異なります。

南アルプス(硬度約30mg/L):スッキリと切れが良く、さわやかな清涼感のある味わい。
阿蘇(硬度約80mg/L):心地よいのどごしで、さっぱりとしたクリアな味わい。
奥大山(硬度約20mg/L):口当たりの柔らかい甘みのある味わい。
北アルプス(硬度約10mg/L):口当たりがよくまろやかな味わい。
となっています。

北アルプスは「サントリー天然水」統一後に新たに誕生
北アルプスは「サントリー天然水」統一後に新たに誕生

なお同社によると、「北アルプス」は、ミネラルウォーター市場の伸長により、供給量を増やすために新たに誕生したのだそう。良質な水と水量、それを育む自然環境が敷地および上流域にあり、そして、隣接する国営公園開園に伴い、整備されたインフラも整っていることが選ばれた理由とのことだ。

1台の自販機から別水源は珍しくない

ーー種類のよっては、手に入りにくいものがあったりする?

工場の生産能力に応じて製造数量は異なりますが、一概に、この水源は手に入りにくいという言い方は出来ません。

「北アルプス」製造の様子
「北アルプス」製造の様子

ーーそれぞれ決まった地域で出荷されているの?

「南アルプス」は東日本以東を中心に、「阿蘇」は九州、「奥大山」は西日本エリアを中心に、「北アルプス」は長野・新潟に加え東海・北陸エリアを中心に出荷しています。

ただ、どの水源で製造された商品も「サントリー天然水」という1つの商品なので、販売エリアは全国となっており、上記記載のエリア以外で販売されることもあります。

「北アルプス」製造の様子
「北アルプス」製造の様子

ーーでは、1台の自動販売機に異なる水源の「サントリー天然水」が​入っているのは珍しくはない?

どの水源で製造された商品も「サントリー天然水」という1つの商品です。その時々の消費の変化などに応じて、それまで出荷・販売していた「サントリー天然水」とは異なる水源で製造された「サントリー天然水」が出荷・販売される可能性があるため、今回のケースが極めて珍しいということではございません。

サントリーでは、それぞれの水源にこだわりを持っているとのことで、「異なる水源があることに気づいていただけて嬉しく思っています」と話題となっていることを喜んでいた。

水源ごとの固有デザインラベルを楽しみ、飲み比べをしてみるのも面白そうだ。

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プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。