4月6日、松野博一官房長官は、対話型AI 「チャットGPT」について、教育現場でどう取り扱うか文部科学省が指針を取りまとめる方針だと明らかにしました。
しかし、教育現場からは文章力や思考力の育成に悪影響を及ぼすとの懸念もあがっています。いったいどういうことなのでしょうか。

チャットGPT 子を持つ親からは戸惑いの声

40代母(小6、小1):
子どもがそういうの(AI)を使っているのを見たことがあって、どうなっちゃうんだろうなと。ちょっと怖い。

40代母(高2、中1、小5):
親からすると(チャットGPTは)ちょっと…って感じ。自分で考える力が必要ないから。

子を持つ親たちからあがる戸惑いの声。

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アメリカの企業が開発した「チャットGPT」は、質問を入力すると人口知能が自然な文章で瞬時に回答してくれるソフト。

3月の国会でも野党議員が「チャットGPT」を使った質問をし、話題を呼びました。
教育評論家の尾木直樹氏は…

教育評論家 尾木直樹氏:
夏休みの多くの学校が読書感想文とか、(チャットGPTを使う子)たくさんいると思います。(宿題をチャットGPTに任せて受験に集中するために)私立中学受験を目指している、こういう子どもたちが多用すると思います。思考力を鍛えるっていうところが、どうなっちゃうんだろうっていう思いがありますよね。

チャットGPTで読書感想文 実力は?

実際に、番組スタッフがその実力を試してみました。
「夏目漱石のこころの感想文を書いて」と入力すると…

チャットGPTが書いた「こころ」感想文
チャットGPTが書いた「こころ」感想文

チャットGPT:
夏目漱石の小説「こころ」は、物語の中心に置かれた主人公の孤独や不安、そして現代社会における人間関係の難しさが深く描かれた傑作です。
(中略)
全体として、夏目漱石の「こころ」は、孤独や不安といった内面的な問題を深く描写し、現代社会における人間関係の難しさについて考えさせられる作品です。その深い洞察力と、繊細な筆致は、多くの読者を魅了し続けています。

尾木直樹氏「どこを使いこなしていくのかがポイント」

文科省は、小中学校で1人に1台、情報端末の配備を進めていますが、チャットGPTについてはどのようなガイドラインを作成するのでしょうか。

教育評論家 尾木直樹氏:
一番大事なのは、賛成か反対か二者択一的な評価ではなくて、どういうふうにチャットGPTを使っていけばいいのかっていうリテラシー(正しく使いこなす能力)教育として捉えるのがいいと思います。どこを使いこなしていくのかっていうこと。

期待されている「チャットGPT」ですが、教育現場ではどう向き合っていくべきなのでしょうか。
7日のめざまし8に出演したカズレーザーさんとフジテレビ・風間解説委員は…

カズレーザー:
配られる端末は直接AIサービスにアクセスできないようにしたらいいと思います。それでAIから距離を取るんじゃなくて、チャットGPTのAPIを使って子ども用にアレンジしたツールを提供するとかでいいんじゃないかと思います。
例えば、「『こころ』の感想文を書いて」と言ったら、ざっと書くのではなく、「『こころ』というのは夏目漱石の作品で、Kと先生が交流して最後すごく衝撃的な結末だけどそこは覚えてないんだよね」みたいなアレンジをしてくれればここは読むかってなるし、「二次関数のグラフを書いて」だったら「数学弱いのよ。グラフに落とすことはできないけどここまでは分かるのにな」「じゃあ最後だけ手で計算しようか」みたいなことはできるし、そういうアレンジは意外と簡単に作れると思うんですよ。

風間晋 フジテレビ解説委員:
すう勢で見たときに日本の教育ってなかなか厳しい状況になっているわけですよ。特に国際比較をしてみると厳しい中で、規制というそっちを強めちゃうのはどうなのかなと思うんです。やはり、うまく活用していく。それで子どもたちを伸ばすという方向にもっていってくれればというふうに思います。

(めざまし8「#NewsTag」4月7日放送)