この記事の画像(20枚)

6つのタイトルを持つ、将棋の藤井聡太(20)六冠。幼い頃からの夢である「名人」のタイトルへの挑戦が、きょう5日、始まった。
七冠を賭けた勝負を前にしたきのう、取材班が会場を訪れると、早くも盛り上がりを見せていた。

「名人戦」前日 全国から“藤井推し”ファンも会場入り?

名人戦の会場「ホテル椿山荘東京(東京・文京区)」。4日、既に藤井聡太六冠のファンも来ていた
名人戦の会場「ホテル椿山荘東京(東京・文京区)」。4日、既に藤井聡太六冠のファンも来ていた

東京・文京区にあるホテル「椿山荘」に集まった女性3人組。はるばる、新潟・徳島・神戸からやってきたという。

みなさんのお目あてはもちろん…
みなさんのお目あてはもちろん…

そのお目当ては、もちろん…

60代 女性3人:
聡太くんです。聡太さん、みんな。
聡太くんのタオル、出たよね。あれをこうやって、振って見たいけど(笑)。

全国に“追っかけ”のファンがいる藤井聡太六冠。

会場の下見に訪れた藤井六冠(4日午後4時すぎ)
会場の下見に訪れた藤井六冠(4日午後4時すぎ)

きのう夕方4時過ぎ、対局場の下見に姿を見せていた。

同じく下見に訪れた、渡辺名人。3月、藤井六冠に「棋王」のタイトルを奪われ、残る「名人」は防衛したいところ。正念場だ
同じく下見に訪れた、渡辺名人。3月、藤井六冠に「棋王」のタイトルを奪われ、残る「名人」は防衛したいところ。正念場だ

挑戦する相手は、タイトルホルダーの渡辺明(38)名人だ。

「(部屋の)明るさはどうですか?」と聞かれると、天井を少し見上げて将棋盤のあたりを見た後、「大丈夫です」と答えていた。

3月「棋王」のタイトルを得て、六冠となった
3月「棋王」のタイトルを得て、六冠となった

幼い頃から夢見た「名人」 そして七冠達成なるか

藤井六冠は3月に「棋王戦」を制し、6つ目のタイトルを獲得。史上最年少の「六冠」を達成した。
いよいよきょうから「名人戦」七番勝負の第一局に挑んでいるが、7つ目のタイトル「名人」獲得に向け、六冠達成後にはこのように話し、静かに闘志を燃やしていた。

こんなに強い藤井六冠だが、自己分析は…
こんなに強い藤井六冠だが、自己分析は…

藤井聡太六冠(3月20日の会見):
読みだけでなく、複雑な局面であっても、俯瞰的に捉えて判断する力が全く足りていないと感じる。課題を意識をもってやっていければと思っています。

「名人」のタイトルは、藤井六冠が幼い頃に夢見た称号だ。

小学4年生の時の文集で、「将来の夢」に、大きな文字で「名人をこす」と書いていた。

「最近関心があること」として、尖閣諸島や南海トラフ地震、原発にも言及。小学生時から時事問題にも興味を持っていたことがうかがえる
「最近関心があること」として、尖閣諸島や南海トラフ地震、原発にも言及。小学生時から時事問題にも興味を持っていたことがうかがえる

どれほどすごいタイトルなのか?

将棋ライターの松本博文 氏は、「名人という称号は、江戸時代から使われてきた将棋の強い人の代名詞」と話す。

将棋ライターの松本博文 氏:
将棋に携わる全ての人が憧れる、尊敬する称号ですね。
(藤井六冠は)タイトル8つのうち、すでに6つを制していますし、「名人」を加えれば、ほとんど“藤井無敵時代”と言ってもいいような感じになるのではないでしょうか。

将棋界で唯一「永世七冠」の称号を持つ羽生善治(52)九段
将棋界で唯一「永世七冠」の称号を持つ羽生善治(52)九段

きょうからの「名人戦」を制し、さらに11日から始まる「叡王戦」を防衛すれば、ついに「七冠」達成。羽生善治(52)九段が持つ史上最年少記録を塗り替えることになるか、注目される。

きのう4日の会場には、藤井六冠を目当てに来る人の姿が見られ、早くも“藤井フィーバー”に沸いていた。

50代女性:
藤井聡太さん。ファンです。

60代女性3人:
(3人は)聡太さんつながりです。そこでお会いして友達になりました。ただ頑張って下さいって言うだけですね。

4日・会場の下見に訪れた渡辺明名人と藤井聡太六冠
4日・会場の下見に訪れた渡辺明名人と藤井聡太六冠

会場の外も熱気にあふれる、注目の「名人戦」第一局。きょう、ついに始まった。

(「イット!」4月4日放送より 情報を一部追加しています)