新たな門出の季節にお祝いなどで、新しい文房具を購入する方も多いのではないだろうか?北海道・札幌の老舗の店で、最新の文房具事情を取材した。
“16km書ける”鉛筆も? 注目の文房具を紹介
札幌市北区。北海道大学など教育機関が集まる学生の街に、今、話題の文房具店がある。
この記事の画像(14枚)安野陽介 ディレクター:
学校や職場でよく見かける文房具の数々がそろうこちらのお店…ただの文房具店ではなく、文房具カフェなんです
「みつはし文具アンドカフェ」。老舗文房具店として、地域の学生たちの学びを支えてきたが、2020年から現在の『文房具カフェ』に業態を変えた。
みつはし 文具&CAFE 山本 富美子さん:
文房具とカフェという意外性が面白いというのと、のし袋などを書きながらお茶の時間を楽しめると喜んでいただいてます
そんな文房具カフェで、この春、注目の文房具を教えていただくと…
みつはし 文具&CAFE 山本 富美子さん:
金属製の鉛筆・メタルペンシルを略して「メタシル」。全国的に品薄状態。従来、鉛筆の芯は黒鉛でできていますが、黒鉛の中に特殊な金属を混ぜることによって芯の減りが少ない。削る必要がなく、削らずに(直線で)16km書き続けられます
16kmということは、さっぽろテレビ塔から江別市内までの距離。
子どもが鉛筆を削りすぎて鉛筆がすぐに短くなってしまうというお母さんからも好評だということだ。
そして大人気なのがこの消しゴム。金属を混ぜることによって消しゴムのカスを裏側の磁石で集めてくれる「マ磁ケシ」という商品だ。
ふたをすると、消しゴムに付いていた消しカスがふたの中に落ちる仕掛けになっている。
消すということでは、引っ越しシーズンに重宝するこんな商品も。
みつはし 文具&CAFE 山本 富美子さん:
ローラーケシポン。刃が出てきて段ボールの梱包(こんぽう)テープを切る。宛名を消せるスタンプが付いている。自分の名前や送り主の名前などを一気に消してそのままゴミ箱に捨てられる。むかし文具女子だった女性にも好評です
「お土産」になる文房具、外国人観光客狙いの商品も
機能性が進化する文房具の中で、お土産にもなるデザイン性で売り上げを伸ばしている商品がある。
みつはし 文具&CAFE 山本 富美子さん:
ハードカバーのノート『bocco(ボッコ)』という商品名。札幌の製本会社が作った。布張りでいろんな所に工夫がされている。表紙に穴が開いていたり(デザインが)北海道らしいので、お土産として買う人も
2023年の春、卒業や入学の記念品としても人気というこのノート。企画・製造しているのは、札幌・西区に本社工場を構える創業87年の老舗のメーカーだ。
石田製本 今村 琢さん:
今はダイアリーだけで4種類、そのほかに20種類ほどあります。こちらの『COW』という商品は北海道をモチーフにしたデザイン。牛の姿ではなくミルクポットを型抜きしたデザインで、これが今、人気の商品です。デザインも面白いが、紙も万年筆などに適性のある紙を使っていて、物の良さも伝わればなと考えて作りました
女性ユーザーを念頭に置いてデザインされたハードカバーのノート。最近では、ニーズに応えて男性の好みに合わせた商品も発売した。
石田製本 吉田幸宏さん:
「マスク」と「カブキ」という商品。若干趣味も入ってます。外国人の旅行客もターゲットにしたデザインコンセプトでもあるので羽田空港でも販売しています。実際に文具業界がどれほどの業界か知らずに、知識も経験もなく自社文具ブランドを作りたいという思いからスタートしました。この札幌という地で、小さな製本会社が自社文具ブランドを作るというストーリー性は大切にやっていきたいと思います
インバウンドが復活の兆しを見せる中、「マスク」と「カブキ」を手にする外国人も増えてくるかもしれない。
(北海道文化放送)