40年以上、愛されてきた洋食店が幕を下ろした。長野県松本市の「盛よし」は、店主の病気などを理由に店舗での営業を3月10日で終え、「感謝弁当」を販売、別れを惜しむ多くの客が詰めかけた。

1979年開業「民芸レストラン 盛よし」

大きなハンバーグが焼きあがっていく。それを弁当にー。 

「感謝弁当」
「感謝弁当」
この記事の画像(6枚)

松本市の洋食店「民芸レストラン 盛よし」。店の外では、待ちわびた人たちが行列を作っていた。

市民や観光客に長年愛されてきた店が営業を終えることになったのだ。

1979年に須沢盛義さんが開業した「盛よし」。民芸調の家具などが並ぶ店内が特徴で、ハンバーグやエビフライ、カニコロッケなどが人気メニューだった。店の名前の通り「盛」も良く、市民や観光客から愛されてきた。 

民芸レストラン 盛よし 
民芸レストラン 盛よし 

店主の病気など理由に閉店

しかし、創業者の須沢さんは2022年8月から体調不良で店に立つことができず、後を継いだ長女(46)も体調を崩し営業を続けられなくなった。 

そして、急きょ3月10日に通常の営業を終えた。 突然の事態。食材が残っていたことから従業員などが「感謝弁当」を販売することを決めた。

別れ惜しみ300人の列

手伝いをしているのは、創業者・盛義さんの孫、洸一郎さん(19)。長野市の調理師専門学校に通っていて、これまでも休みの時には店を手伝ってきた。 

盛義さんの孫・須沢洸一郎さん: 
おじいちゃんやお母さんがやってきたことは、絶対に無駄にしたくない気持ちは強くあったので、最後の最後まで来てくださるお客さんを一番だと思い、全ての人に幸せを届けたい

創業者の孫・須沢洸一郎さん:
創業者の孫・須沢洸一郎さん:

「感謝弁当」は人気メニューだったエビフライやハンバーグが入ったものなど6種類を用意した。

販売開始の正午前。店の前には約300人が列を作った。130食の用意だったため整理券も配ることになった。 

店の前には約300人の列
店の前には約300人の列

並んでいた客は、「一生忘れないように、かみしめながら食べたい」、「盛よしは青春そのもの」などと話し、感慨深けだ。

「感謝弁当」は、約1時間半で完売した。

創業者の孫「いつか復活を」

40年以上愛されてきた洋食店。

創業者・盛義さんの孫・洸一郎さんはいつか、「盛よし」の味を復活させたいと話している。 

創業者の孫・須沢洸一郎さん:
創業者の孫・須沢洸一郎さん:

盛義さんの孫・須沢洸一郎さん: 
マイナスと捉えるのではなく、プラスに考えて頑張っていきたい

(長野放送)