2014年の御嶽山の噴火で、息子を失った愛知県の男性が、御嶽山の麓にある小学校と交流を続けている。2023年2月下旬、卒業を控えた6年生とは最後となる交流会が開かれた。
思い出のヒマワリ…下級生に託した“種”
御嶽山を望む長野県木曽町の三岳小学校で2月27日、愛知県一宮市の所清和さんを招いて開かれた「交流会」。
所清和さん:
この写真を見たよっていう子いますか?右の男の子が、私の次男の所祐樹といいます。噴火で亡くなっちゃいました

2014年9月27日に起きた御嶽山の噴火。所さんの次男・祐樹さん(当時26)が恋人の丹羽由紀さん(当時24)と御嶽山に登り、命を落とした。

所清和さん:
当時、御嶽山が噴火した際の噴石です。リュックのここに当たりました。破れました。貫通しました。その中にこの火山灰が溜まってました。それをかき集めたのがこれです

息子の命を奪った噴石、遺品からかき集めた火山灰…。噴火の恐ろしさを子供たちの目に見える形で伝えた。

所清和さん:
(噴石が)ここに当たって壊れたカメラです。ぐしゃぐしゃです

この交流会を企画したのは6年生の児童たちだ。
6年生の男子児童:
ずっと3年間、所さんと交流してきたので。せっかく所さんとの縁ができたので、それを続けていって欲しいなと思っています
4年前の2019年、まだ3年生だった彼らと所さんの交流が始まり、その後も、運動会に招いたり、2022年は一緒に御嶽山に登ったりと「絆」を深めてきた。

自分たちは卒業しても、それを後輩へ…。その思いが今回の開催につながった。
6年生の男子児童A:
噴火のことを教えてもらったんですけど、やっぱり交流することの素晴らしさを教えてもらったなと思いました

会の最後、後輩にあるものを託した。
6年生の女子児童A:
皆さんにひまわりの種を贈呈させていただきます。このひまわりの種は、所さんからいただいたひまわりを育ててとったものです。ぜひお家で育てたりして、ひまわりでいっぱいにしましょう
亡くなった息子とその恋人を思い、所さんが育てている「ひまわり」。その思いを知った子供たちも、校庭でひまわりを育ててきた。

6年生の男子児童B:
所さんが願っていたひまわりを育てて欲しい。卒業するけど、下の子達に引き継げたのでよかったです
コロナ禍でも続けてきた交流。一緒に食べた別れの給食も「黙食」だったが、所さんとの時間は大切な思い出だ。

6年生の女子児童:
4年間ありがとうございました。メッセージの本を作りました。ぜひ見てください

所清和さん(子供たちに向け):
本当にサプライズですね。なんか字もきれいになったね、3年生の時と比べると。今年から中学校に行くということで、すごく不安がいっぱいあると思いますけど、皆さんもがんばってください
(東海テレビ)