40年以上前から問題となっている、名古屋城のお堀の水質悪化について、名古屋の洗車機メーカーが「水質浄化作戦」を提案した。
お城は名古屋の誇り…地元の洗車機メーカーが費用3千万円を負担
金のシャチホコが輝く名古屋城。しかし、そのお堀は、ある問題を抱えている。
リポート：
水堀の中を覗いてみると、かなり濁っています。水面下の様子は全く見通せません
渡り鳥のカワウが堀川にいるボラを目当てに、冬になると名古屋にやって来て糞を落とす。このような鳥の糞や落ち葉などで発生する「ヘドロ」が濁りの原因だ。
名古屋城をこよなく愛する河村市長も、濁った水堀しか見たことがないと言う。
河村名古屋市長：
（お堀の）底なんか見えたことがない。千両箱ぐらい出てくるかも分からん。名古屋城を造ってから400年、いっぺんも水面下をさらったことはないらしい
名古屋城のお堀の水質が問題となったのは40年以上前。名古屋市は1981年から工業用水を使って人工的に水を堀川に排出しているが、効果は限定的で、本格的に浄化するには、水抜きや大規模な浚渫工事が必要だ。
名古屋城総合事務所の担当者：
重要文化財ですので、全面的に清掃しようと思いますと、いろんなところとの調整が必要になってくると思います
そんな中、“救世主”が登場した。名古屋市港区の「タケウチテクノ」。1963年に日本で初めて移動ブラシ付き洗車機を開発した老舗メーカーだ。
創業107年。会社が堀川沿いにあることから、環境問題に取り組み始めた。
タケウチテクノの竹内英二社長：
洗車機を使っていると結構水を使うんですよ。水に関して恩返ししたいという気持ちと、目の前の堀川もきれいにしたいという思いが同時にありまして、堀川の原点は名古屋城の堀だと思っているんですね
タケウチテクノが目を付けたのは、愛知県内の会社が開発した「水質浄化剤」。濁りの原因となる有機物を吸着して、徐々に水の透明度が増すとともに、微生物が増えてヘドロを分解する。
この浄化剤は、これまで藤前干潟や堀川などの浄化で実績がある。
今回、名古屋城の水質浄化作戦の事業費は3000万円。その費用はタケウチテクノが全て負担するという。
タケウチテクノの竹内英二社長：
名古屋城は（城郭として）国宝第一号なんですね。観光シンボルの一つだと思います。きれいな水になって魚たちが泳いでる、コイたちが泳いでいる、憩いの場として素敵なお城になって皆さんに来ていただけるといいなと
河村名古屋市長：
きれいになるのはいいこと、それも自分の負担でやってもらえるということはありがたい。期待して待っているということですわ
（東海テレビ）
