スキー場で転んで携帯電話が強い衝撃を受けた際、「自動で119番通報」される機能により、全国的に誤った通報が相次いでいる。山形県内でも複数確認されていて、消防が注意を呼び掛けている。

「自動で119番通報」機能で“誤報”急増

ゲレンデで滑っていて、すってんころりん。スキー場ではよく見かける光景だが、こうした何気ない転倒が思わぬ事態を引き起こすことがある。

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山形市消防本部・菊地洋一消防司令:
強い衝撃がスマートフォンに伝わると、自動的に119番通報されてしまう

最新のスマートフォンの中には、交通事故など強い衝撃を検知する機能が付いているものがあり、そのあとスマートフォンを操作しないでいると「重大事故のおそれがある」として、自動的に119番通報とGPS(衛星利用測位システム)の位置情報を共有する仕組みになっている。

今、この機能によって、転倒したスキー客から誤って通報されるケースが全国的に急増している。
総務省消防庁の聞き取り調査では、誤った通報はこの冬だけで全国で500件以上。山形市消防本部管内でも2022年11月からの3カ月間で5件あり、そのうち3件は蔵王温泉スキー場で転倒したスキー客からの誤った通報だった。

残る2件について、菊地消防司令は次のように語った。

山形市消防本部・菊地洋一消防司令:
お掃除ロボットの「ルンバ」を充電中の「Apple Watch」にぶつけてしまい、119番通報されてしまったのが1件

山形市消防本部・菊地洋一消防司令:
配送会社に電源を入れたままのiPhoneの配送を依頼してしまい、衝撃で通報されてしまったのが1件

実際に救急隊が出動した事案も

スマートフォンによる自動通報がされた場合、消防は、安否確認のため折り返し電話をかける。持ち主と連絡がついて「誤報」と判明すれば救急隊は出動しないが…。

山形市消防本部・菊地洋一消防司令:
運送会社からの119番通報は(持ち主と)連絡が取れなかったため、実際に救急隊が出動した事案が昨年1件あった

このケースでは多くの消防と警察が出動し、誤報と分かるまで発信場所の周辺でけが人がいないか捜索したという。
消防は、「携帯電話にこうした機能が付いていることをまず知ってほしい」と話す。

山形市消防本部・菊地洋一消防司令:
(緊急時には)実に有効な機能だとは思うが、(119番が)誤通報なのか、通話中に意識が無くなって電話が切れたのかは我々には判断できないので、間違いなら電話に出て「間違いでした」と伝えてほしい

消防庁によると、誤った通報は主に「iPhone 14」や「Apple Watch」、「Android OSの13以降」で確認されているという。

(さくらんぼテレビ)

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