自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。
「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。

今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家が注目したのは、こんなお話。

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どうして気付くの?そのワケは記事の続きで…
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「もう使わないかな?と思っておもちゃを捨てようとすると…なぜかすぐに気付かれちゃう!一体どうして?」

おもちゃばこの底に眠っている、ちょっと古いおもちゃ。最近遊んでいるところを見たことがないし、そろそろ捨てちゃってもいいかな?とごみ箱へ入れたとたん…「あのおもちゃ、どこに行ったか知らない?」「今遊ぼうと思ったのに!」と切り込んでくる子どもたち。

パパママが「使っていない」と思ったものでも、実は子どもたちはきちんと管理しているの?でも、どんどん増えるおもちゃはどうにかして片付けたい。そんな時はどうしたらいいの?育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。

おもちゃが減ると「間違い探し」のように見つかってしまう?

――「こっそりおもちゃを捨てると見つかる」のはどうして?

このもやもや育児コーナーの一番下にある「まちがい探し」と感覚的には似ているように思います。子どもたちって間違い探しが好きですし、得意な子も多いですよね。子どもと大人の目線の高さは違いますし、視点も違うものです。大ざっぱに入れてあるおもちゃ箱でも、子どもから見たら「ん!?なにかがない!」「景色が変わってる?」 と気づくことはありそうです。見比べて「違う!」と感じると、そのことをきっかけに“ないもの”に執着が湧いてしまうのではないでしょうか。

一方、大人の記憶の留め方によるものも大きいと考えられます。「見つからないように、見つからないように……」と思っている分、見つかってしまった場合「しまった!」という強いインプットになりやすいのでしょう。10回捨てて見つかったのは1回だったとし ても、その1回がより鮮明に記憶に残ってしまうために「こっそり捨てるとバレてしまう」という印象になる、こういうこともあるように感じています。 


――そもそも「子供にナイショでこっそり捨てちゃう」のっていいの?

親が子どものおもちゃを整理したいと思うきっかけは「おもちゃ箱に入りきらなくなった」というような収納の問題が多いと思われます。入りきらなくて床に散らばったままではしつけとしてもよくないですから、何かを減らそうと思うわけです。

そういう場面では、基本的には子どもと一緒に判断していくのが理想だとは思いますが、その子の性格によっては、聞いたら絶対ダメと言う子もいると思うので、そういう場合は致し方ないと思います。どの子でも自分の手持ちのおもちゃにはランクがあるものですし、親もその位置づけをある程度は把握しているでしょうから、言ってしまえば「ランク低め」のものに関して はこっそり処分はやむを得ないでしょう。 


――古いおもちゃをそろそろ整理したい…どう言えば子どもに納得してもらえる?


誕生日やクリスマスなどは、新しいおもちゃが仲間入りすることが多いので、そのタイミングで「1つ増えるから1つ減らそう」と持ちかけるのはいい方法でしょう。新しいおもちゃの方に気持ちが行っている分、手放しやすいと思われます。

あとはある程度大きくなれば、フリーマーケットなどで一緒に出品するのもいいのではないでしょうか。今はさまざまなフリマアプリがありますよね。たとえば、売れたらその分を次のおもちゃ代に充てるなどすれば、使わないものを整理しようというモチベーションにつながりやすいのでは?子どもと一緒に再利用を試みるというこの方法は、まだ使えるおもちゃを捨てることに罪悪感を持つ親側の悩みも緩和してくれると思います。

子どもたちが「こっそり捨てたおもちゃ」に敏感なのは、大人たちとの視点の違いが理由かも。大好きで毎日遊んでいるおもちゃではないから捨てても大丈夫と思っても、実は子どもたちから見ると「あれっ、何かがなくなった?」と気付いてしまうものだそう。

とはいえ、どんどん増え続けてしまうとスペースも取ってしまうし部屋が片付かない…と悩みのタネのおもちゃ。基本的には子どもたちと「これはまだ遊ぶ?」「これは捨ててもいいかな?」と確認しながら捨てるもの・取っておくものを決めるのがいいそうだが、「ひとつも捨てちゃダメ!」とかたくなになってしまう場合は、こっそり捨てるのも致し方なし!

そんな時は、新しいおもちゃをひとつ買ったら代わりにひとつ捨てるという約束をしてみる・捨てるのではなく売って新しいおもちゃを買う代金にする…など、ひと工夫することで子どもたちも納得のお片付けができるかもしれない。

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「聞きコミ PRIME online」では皆様からの「育児あるある」エピソード投稿をお待ちしています。

・「もういらない」と言ったから代わりに食べたおやつ。「やっぱり食べる!」と言われて大慌て…同じものを用意しても「さっきのがいい!」と泣かれて大苦戦!
・無くしたと思っていたスマホを冷蔵庫の中から発見!なんでここに入れちゃうの!?

などなど、あなたの「育児あるある」に隠された子どもたちの気持ちを探ってみませんか?

※入力された内容は記事で紹介させて頂くことがございます。
※改めて取材をさせて頂く場合もございます。

(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)
英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。

(漫画:さいとうひさし)

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。