福島県福島市と山形県米沢市を結ぶ栗子峠。ここに「氷の神殿」が現れるという。
雪で閉ざされた「神秘の世界」へ。ガイドに案内をお願いして、スノーシューを履き雪山に向かった。

雪山を1.5km 万世大路・二ツ小屋隧道へ

目的地までは約1.5km。180mの標高差があるため、急な坂道もある。道なき道を歩いていくと、栗子峠の旧道「万世大路」にたどりついた。

目的地まで1.5キロ 雪山をスノーシューを履いて進む
目的地まで1.5キロ 雪山をスノーシューを履いて進む
この記事の画像(11枚)

NPO法人いいざかサポーターズクラブ・佐藤耕平さん:
明治9年に作られた道が最初になるんですけど、昭和40年に今の国道13号線が完成した時点で、この旧道は廃道となってしまったそうです

明治9年に作られた「万世大路」は国道13号の完成で廃道に
明治9年に作られた「万世大路」は国道13号の完成で廃道に

万世大路には峠越えのトンネルが作られていて、そこが今回の目的地。雪道を登ること1時間以上、ついに!

さらに雪道を歩くこと1時間半 絶景が待つトンネルを目指す
さらに雪道を歩くこと1時間半 絶景が待つトンネルを目指す

NPO法人いいざかサポーターズクラブ・佐藤耕平さん:
万世大路の最初のトンネル「二ツ小屋隧道」ですね。今のトンネルとは違って、モダンな作りが趣があって良いですよね

万世大路の最初のトンネル「二ツ小屋隧道」
万世大路の最初のトンネル「二ツ小屋隧道」

巨大氷柱が出迎える

二ツ小屋隧道に入ると、中は真っ暗でひんやりとしていた。その寒さが織りなすのが巨大なつらら。

隧道の中は真っ暗 ヘルメットを着用し慎重に進む
隧道の中は真っ暗 ヘルメットを着用し慎重に進む

NPO法人いいざかサポーターズクラブ・佐藤耕平さん:
トンネル自体が老朽化によって色々な部分が裂け目ができて、そこから地下水が染み出てきて冬場凍ってこのような形になります

隧道の老朽化でできた裂け目から地下水が染み出し巨大氷柱に
隧道の老朽化でできた裂け目から地下水が染み出し巨大氷柱に

柱のように見えることから、地元では「氷柱」と呼ばれる。今シーズンは1月末の寒波ででき始め、半月ほどかけて大きくなったそう。
さらに大きいものが奥にあるということで、凍った地面に注意して進んだ。そこで見たのは「氷の神殿」

寒波によってさらに大きく この奥に「氷の神殿」が待つ
寒波によってさらに大きく この奥に「氷の神殿」が待つ

廃墟に現れた氷の神殿

NPO法人いいざかサポーターズクラブ・佐藤耕平さん:
古い産業遺産の中に、こうした自然の造形があるっていうのは、なかなか他では見られない場所かなと

ガイド・佐藤耕平さん「産業遺産に自然の造形があるのは他では見られない」
ガイド・佐藤耕平さん「産業遺産に自然の造形があるのは他では見られない」

高さ4m以上。トンネルの天井と地面がつながる形で、たくさんの氷柱が並ぶ。トンネルに差し込む光が当たると、白くきらめいて彫刻のようにも見える。

姿を現した「氷の神殿」高さ4m以上 差し込む光で輝く
姿を現した「氷の神殿」高さ4m以上 差し込む光で輝く

NPO法人いいざかサポーターズクラブ・佐藤耕平さん:
廃墟であることは間違いなくて、それがどんどん経年劣化していく姿。その年によって氷柱も少しずつ姿を変えていくと思うので、そういうところを楽しんで頂ければなと思います

ガイド・佐藤耕平さん「経年劣化によって姿を変えていく氷柱を楽しんで」
ガイド・佐藤耕平さん「経年劣化によって姿を変えていく氷柱を楽しんで」

福島県の内外からも多くの人が訪れるようになった、冬の絶景。しかし個人の入山者の事故も発生している。安全に楽しむため、ヘルメットやスノーシューの着用や、ガイドと共に訪れるようにしてほしい。
(福島テレビ)

福島テレビ
福島テレビ

福島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。