交通事故の死者数が2021年に比べ上回っている。また、5年ぶりのJアラート発令や集団暴行し事件など、2022年1年間に山形県内で起きた「事件や事故」について振り返る。

交通事故で25人が死亡 昨年上回る死者数に

2022年1月から12月19日までに、山形県内では、交通事故で25人が尊い命を落とした。既に、2021年1年間の死者数を上回っている。12月としては異例の大雪に見舞われている県内では道路状況が悪化していて、これから年末にかけては、より一層の注意が必要となる。

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県内の火災 件数減少も負傷者は前年超え

県内で発生した火災は、11月末時点の速報値で265件となっていて、2021年の同じ時期と比べて30件減っている。

一方、死者は横ばいで、負傷者は10月末時点で53人と、既に2021年1年間の負傷者数を上回っている。

学校法人が補助金で“ギター”購入

認定こども園など4施設を運営する学校法人清風学園が、補助金を含む運営費で高級ギターなどを購入していた問題。その後、山形市などが行った調査の結果、業務に関係ないギターなどの購入費用は、少なくとも3,000万円以上にのぼることが発覚した。

清風学園の担当者:
(約30本のギターは)4つの園で、みんなで使えるように買った。保護者の理解を得られるよう、今後もクオリティの高い教育に努めたい

学園側はこのように説明していたが、12月、山形市と天童市から、2023年1年間の給付費を減額する行政処分を受けた。

5年ぶりのJアラート発令 「北の脅威」に警戒

街の人:
電車の中にいた。(電車内は)静まり返った感じで緊張感があった。全線止まるので「そのまま座ってお待ちください」と言われた

11月3日、北朝鮮のミサイル発射により、県内にも5年ぶりにJアラートが発令。東北新幹線が15分間運転を見合わせるなど影響が出た。

街の人:
どうすればいいか具体的にわからない。待機する、地下に避難する、くらいしかわからないので不安です

県は、避難のための大規模訓練実施や施設の拡充など、「北の脅威」への警戒を強めている。

“度重なる嫌がらせ”か…母親に大量の錠剤飲ませる

新庄市の駐車場で、当時県職員だった50代の女性が、母に大量の薬の錠剤を飲ませたとして自殺関与未遂の疑いで逮捕された事件。事件前、親子は周囲に「近所の住人から石を投げ入れられるなど度重なる嫌がらせを受け、もう耐えられない」と漏らすなど、トラブルに悩んでいたことがわかっている。

逮捕された女性は、12月2日に不起訴処分となっている。

激しい暴行 卑劣な犯行…山形市集団暴行死事件

「同じ痛みを味わってほしい」事件で亡くなった被害者の妻が法廷で語った言葉。

2022年3月、JR山形駅前で起きた傷害致死事件。天童市駅西の古澤将太さん(当時36)は、自らが経営するダイニングバー「ザ・ロンプ」の店内で、複数人から激しい暴行を受け死亡した。

この事件で、傷害致死の罪で起訴され判決を受けたのは、山形市の森山健太受刑者と、上野吉之被告の2人。

事件のきっかけは、上野被告が経営していたキャバクラ店の扉をめぐる些細なトラブルだった。古澤さんは最後まで、「扉を壊した覚えはない」と訴え続けたという。しかし、森山受刑者や上野被告による暴行は続き、古澤さんは命を落とした。

9月に裁判員裁判で開かれた事件の主犯格・森山受刑者の裁判は、起訴内容に争いはなく、量刑だけが争点となった。この中で明らかになったのは、卑劣な暴行だけでなく、罪から逃れるために働いた数々の隠ぺい工作や、仲間との口裏合わせだった。

森山健太受刑者:
今回の件は、あいつ(部下)に被ってもらう。あいつのスマホ、山に捨ててきて。早く捨ててこい!

山形地裁は、「被害者が受けた精神的・肉体的苦痛は計り知れない」と強く非難し、懲役10年の実刑判決を言い渡した。

一方、11月28日から始まった上野被告の裁判。

上野吉之被告:
暴行はしたが、そのような暴行はしていない。共謀も、よくわからない

共同正犯として起訴された上野被告は、森山受刑者との共謀や古澤さんの死因である「肝挫傷」につながる腹部への暴行を否認。また、証人として出廷した複数の関係者は、上野被告が森山受刑者の暴行をたびたび止めに入っていたことを証言した。

判決:
主文、被告人を懲役5年に処する

下されたのは、求刑の10年の半分となる、懲役5年の判決。量刑の理由について山形地裁は、上野被告自身が行った暴行が生命身体に及ぼす危険は高くなかったなどとした。

亡くなった古澤さんの妻は、この事件をめぐる全ての裁判に被害者遺族として参加。意見陳述の場面では、涙で震える声を振り絞り、次のように話した。

古澤さんの妻:
会いたくても会えない悲しみが、あなたにわかりますか?絶対に許さない

森山受刑者は、既に判決が確定。上野被告も控訴期限が22日に迫る中、20日までに控訴を申し立てていない。

事件発生から間もなく9カ月。上野被告の店は既に別の店になり、事件のきっかけとなった扉はもうないが、亡くなった古澤さんが経営していた店は、今も事件直後のままだ。

どんな判決が下ったとしても、遺族と、そして何より古澤さん自身の無念が消えることはない。

(さくらんぼテレビ)

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